戦争の教訓 新聞に学ぶ 沖縄関連、県外紙200点紹介


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戦争当時の新聞を読む来場者=13日、名護市親川の民俗資料博物館

 【名護】名護市親川の民俗資料博物館で、沖縄戦当時の新聞を展示した戦後70年企画展「沖縄の戦争記録新聞」が開かれている。沖縄に関する記事が掲載された県外紙を中心に200点余が並ぶ。当時の新聞がどのように戦争を伝えたかが分かる。8月31日まで。

 博物館は、眞嘉比朝政(ちょうせい)館長(78)=名護市=が個人で設立し、運営している。戦争当時8歳だった眞嘉比館長が戦後70年に合わせて企画展を催した。戦争当時の64紙を入手し、沖縄に関連する記事が載っている紙面を集めた。沖縄に関する記事に目印を付け、説明文を添えた。
 眞嘉比館長は「当時の新聞から過去を学んで、今後どう戦争がない世の中をつくるか考える機会にしたい。特に若い人に見てほしい」と語った。
 第2次世界大戦勃発を伝える読売新聞の1939年8月23日付夕刊に始まり、45年の記事を中心に展示している。中には、戦争で家族を亡くした沖縄の女性の顔写真や声を載せ「沖縄の女は泣かず」と見出しを付けた記事もある。「一人十殺」「総特攻」など戦争を美化し、戦意を高揚を図る言葉が並んでいる。
 常設展でも、米軍がまいた投降を呼び掛けるビラなど戦争に関係する貴重な物を見ることができる。来場者の希望に応じて眞嘉比館長が解説する。
 入館料は高校生以上500円、中学生200円。小学生以下は無料。企画展のみ見学する場合はそれぞれ半額となる。午前9時から午後5時まで。定休日はない。国道58号に面した大きな看板が目印だ。問い合わせは民俗資料博物館(電話)0980(58)3355。