「洋楽＝１」『ザ・モンサント・イヤーズ』

ニール・ヤング＋プロミス・オブ・ザ・リアル『ザ・モンサント・イヤーズ』

まだまだ、ロックには力がある

　今年７０歳になるニールの本領発揮の新作。２０１２年の『アメリカーナ』から３年間で５作と言う制作ペースも驚異的ですが、ディラン譲りの反骨精神も年齢で衰えるどころかますます大きくなっているようです。

　ウィリー・ネルソンの息子たちが在籍するユニット「プロミス・オブ・ザ・リアル」とコラボした新作はずばり“モンサント社”への抗議アルバム。昨年、米バーモント州が遺伝子組み換え食材を規制する法案を通過させたところ、遺伝子組み換え種子と除草剤で巨大な収益をあげているバイオ化学メーカーのモンサント社がこれを訴え覆そうしたことに対しての抗議なのです。
　これまでプロテスト・ソングといえば人種問題と反戦が主でしたが、現代では快適さ豊かさを理由に企業が進める環境破壊がさらに重要なテーマになっているのです。さて録音はメンバーが一堂に会してのライブ・レコーディング。メンバー同士の呼吸、バイブレーションが生むリアルなロックを堪能できます。
　（ワーナーミュージック・３１２４円＋税）＝北澤孝
（共同通信）
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北澤孝のプロフィル
　きたざわ・たかし　１９４７年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、ＭＯＮＫＥＹ　ＭＡＪＩＫ、Ｓｕｐｅｒｆｌｙまで多岐にわたる。