「隠れた名盤」霜月はるか『SHIMOTSUKIN 10th Anniversary BEST』

霜月はるか『SHIMOTSUKIN 10th Anniversary BEST～MESSAGE SONGS～』

　ベスト盤の中でもなじみやすい１枚

　アニメやゲーム音楽で活躍する女性シンガー・ソングライターのベスト盤。『ＰＣ　ＧＡＭＥ　ＳＯＮＧＳ』など４枚のベスト盤や、これらに加え、記念品や貴重音源集などを同梱した記念ＢＯＸも同時発売だが、その中で、一般の方が最もなじみやすい本作を紹介したい。

　全１４曲、可憐で素直な歌声や穏やかでポップな曲調が特長。『導きのハーモニー』などは８０年代アイドルへの提供作としてヒットしていそうな完成度だ。
　さらに、彼女の最大の持ち味は歌詞だと感じた。ほぼ全編日本語でつづられており、恐れや悲しみも登場するが、笑顔や感謝で乗り越えるなど、どの歌も性善説で満ちている。また、新曲の『Ｍｅｌｏｄｙ　Ｌｉｎｅ』が象徴するように、その原動力が音楽への愛情だということに気付き、なんと純粋な作品かと感心した。
　遊佐未森など、無垢な雰囲気を醸し出せる歌手が好きな人にもオススメ。本作を聞けば、人やモノを大切にできる多幸感に包まれるはず。
　（ティームエンタテインメント・３０００円＋税）＝つのはず誠
（共同通信）
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つのはず誠のプロフィル
　つのはず・まこと　１９６８年生まれ。総合化学会社、広告代理店勤務を経て、Ｔ２Ｕ音楽研究所を設立。音楽市場分析のほか、音楽配信サイトやオムニバスＣＤの選曲を手がける。