粟国小型機事故、記録装置を回収 「原因解明まで1年」


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第一航空の事故機を調査する県警職員。国土交通省運輸安全委員会が派遣した航空事故調査官3人は県警とは別に午後に調査を行った=午前11時50分すぎ、粟国空港

 【粟国で大城三太】28日に起きた第一航空の双発プロペラ機DHC6―400型が滑走路を右側に外れ、フェンスに激突した事故で、調査のために国土交通省運輸安全委員会が派遣した航空事故調査官3人が29日午前、粟国空港で調査に着手した。

午後3時半すぎ、粟国空港で、報道陣に調査状況などを説明した山崎博介調査官は「事故原因の解明に至るまでは長い道のりになる。通常は1年ぐらいをめどとしている」との見方を示した。県警も28日に引き続き、現場を調べた。
 調査官は、同機を操縦していた第一航空の機長や副操縦士、同乗していた職員の計3人に話を聞いた他、機体や滑走路に残された跡などを含め事故状況を調べた。機内から飛行記録装置のフライトデーターレコーダー(FDR)と、音声を記録したコックピットボイスレコーダー(CVR)を回収した。これらは東京に持ち帰り解析する。
 クレーンを粟国島に手配でき次第、事故機をつり上げて見えない部分について調査する意向。だが、現時点で手配にめどが立っていないため、調査官は30日、沖縄本島にいったん戻り、関連資料の読み込みやデータ集めなどの調査を行う予定。
 山崎調査官は、調査が長くなる見通しの理由について「今後、機体の損傷状況、当時の気象状態などのデータを集め、第一航空が機体を飛ばす際の規定書や手順書などと付き合わせて調査を進める」と説明。「機体が外国製(カナダのバイキングエア社)のため、設計製造国の会社にも事故調査報告書の案を見せ、意見を聞くという手順になっているため」とした。