沖縄型神経原性筋萎縮症 国立沖縄病院、臨床試験へ最終段階


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 類似の症状がある既存の特定疾病(難病)の一部として認定される沖縄型神経原性筋萎縮症について、国立沖縄病院(川畑勉院長)が、臨床試験(治験)実施に向けたプロトコル(治験実施計画書)策定へ取り組みを進めている。最終段階にあり、整備ができ次第、治験に入る。時期は未定。

 川畑院長が30日、病院を訪ねた沖縄型神経原性筋萎縮症の家族会「希(のぞみ)の会」の我如古盛健会長らに報告した。我如古会長は「正直、私が生きている間に治療はできないと思っていた。治験は私たちにとって希望の光だ」と語った。
 川畑院長は「沖縄型の原因を特定し、ようやくプロトコル策定の最終段階まできた。今後は治験実現に向けて尽力していく」と説明した。沖縄病院によると、7月27日の同院の倫理委員会で神経内科から審議の申請があり、翌28日に治験を進める許可が出た。
 同院の資料によると、現在は「具体的にどのような指標を測定して効果判定するかに関するプロトコル策定の最終段階にあり、ほぼ固まりつつある」状態だという。
 沖縄型神経原性筋萎縮症は遺伝性の病気で、筋肉が10年単位で衰えていく。3年前に原因遺伝子が見つかっていた。
 家族会には秋野公造参院議員と金城勉県議、高橋真沖縄市議らも同行した。