「ブレーク盤」パク・ジュニョン『愛の法則』


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

パク・ジュニョン『愛の法則~名曲カバー・コレクション~』

 悲哀に満ちた楽曲にうまさ

 地道なキャンペーンによって、シングル5作がいずれもロングヒットしている韓国出身の男性。近年の歌謡歌手に疎い方でも、このアルバムならばその魅力に触れやすいだろう。

 全12曲、1947年の『星の流れに』から2011年の『愛の法則』まで、男女、新旧、ヒット規模に関わらず、様々な楽曲を歌っているが、特に悲哀に満ちた楽曲がうまい。母国語で歌った『冬のソナタ』挿入歌の『My Memory』や研ナオコの『かもめはかもめ』など、どれもその先に希望が見えるのだ。それは、包容力のある温かい歌声によるところが大きいだろう。ストレートな美声は、若い頃の岸田智史(敏志)を思い出す。
 “夜”に生きる悲哀を歌った『おんな道』や、「嫌いになるほど逢いたくなる」と悩む表題曲など、自身のオリジナルを多数手がける浜圭介作品のカバーでは、登場人物の人生が目に浮かぶほど堂に入っている。孤独を感じる時でも本作を聞けば、穏やかに乗り越えられるはず。
 (キング・CD+DVD豪華盤3426円+税、通常盤2500円+税)=つのはず誠
(共同通信)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つのはず誠のプロフィル
 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、広告代理店勤務を経て、T2U音楽研究所を設立。音楽市場分析のほか、音楽配信サイトやオムニバスCDの選曲を手がける。

愛の法則(DVD付)
愛の法則(DVD付)

posted with amazlet at 15.09.02
パク・ジュニョン
キングレコード (2015-03-11)
売り上げランキング: 292,185
パク・ジュニョン『愛の法則~名曲カバー・コレクション~』
つのはず誠