【ロサンゼルス】比嘉さん 外務大臣表彰 日系の日本語維持貢献


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
比嘉 朝儀さん

 日本政府は8月中旬、2015年外務大臣表彰の受賞者を発表した。比嘉朝儀北米沖縄県人会顧問が受賞した。無償のラジオ番組出演で日系人の日本語維持に貢献し、11年3月の東日本大震災で被災地復興支援にも取り組んだ。

授賞伝達式は総領事公邸で9月25日の予定。
 外務大臣表彰は、国際関係のさまざまな分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善関係の増進に特に顕著な功績のあった個人と団体の功績をたたえ、その活動に対する日本国民の理解と支持を一層深めることを目的としている。
 比嘉氏は中城村出身で75歳。ロサンゼルス市内の日本語学校「羅府上町第二学園」で1975年から15年間ボランティアとして活躍、期間中には副理事長を4年間、理事長を3年間務めた。同校の運営を支え青少年育成に積極的に関わり、ロサンゼルスの日系人社会での日本語教育および日本文化の継承・普及に大きく貢献した。
 さらにロサンゼルスの二つの日本語ラジオ局で11年間にわたり番組のパーソナリティーを無償で務め、日系人が日本語を維持するために大きな役割を果たしていた日本語放送の運営・維持に貢献した。番組では沖縄語や沖縄文化も紹介し、特に若い世代への言葉や文化の伝承に尽力した。
 比嘉氏が南加県人会協議会の会長在任中の2011年3月の東日本大震災では、日系社会内で率先して取りまとめを行うなど被災地復興支援の義援金募集に全力で取り組んだ。長年の活動、当地日系人社会への貢献をたたえ、外務大臣表彰受賞の運びとなった。
 (当銘貞夫ロサンゼルス通信員)