【浦添】浦添市内の一部の児童館で、訪れる子どもたちに食事を提供する取り組みが広がりつつある。うらそえぐすく児童センター(市仲間)では5月下旬から毎週土曜日に「てぃーだこども食堂」を開設。市宮城の宮城ヶ原児童センターでは今月から第3土曜日に食育の一環で「レッツクッキング」と称し、子どもたちと軽食作りに取り組む。
核家族化や共働き家庭が増え「孤食」になりがちな子らに、手作りのおいしさ、みんなで食べる楽しさを味わってもらおうと企画している。
土曜の午後、「てぃーだこども食堂」のきょうのメニューを書いた案内板がうらそえぐすく児童センターの調理室の前に立て掛けられた。料理をしたい子はボランティアと料理を手伝い、仕上がったころにおなかをすかせた子どもたちが配膳を手伝いながら席に着く。
みんなそろって「いただきます」の声が響く。12日のメニューは浦添中学校区おやじおふくろの会から提供されたパパイアを使ったパパイア炒めとご飯、みそ汁だった。
国仲恵子館長は食堂開設から約4カ月が過ぎ、地域の協力の広がりに驚いている。今月から、2カ所の自治会が食材の提供ボックスを置いてくれるようになったという。
「―こども食堂」の根間正勝代表は「他の児童センターと食材を融通し合うフードバンクのような役割が、将来できればと考えている」と話す。
一方、宮城ヶ原児童センターは19日、調理希望の子どもたち10人がエプロンを着けて、「ポーク卵おにぎり」に挑戦した。初めての取り組みとなったこの日は、ヘチマのみそ汁、オクラとコーンのかき揚げを子どもたち約30人に提供した。
調理の前には全員を集めて赤・黄・緑の栄養素について職員が説明する「食育」も行われた。
池原千佳子館長は「自分で家で作ってみたり、友達と食べたりするとおいしいということが伝わればと思う。児童館を子どもたちに活用してもらいたい」と話している。
食材の提供など問い合わせはうらそえぐすく児童センター(電話)098(874)0417、宮城ヶ原児童センター(電話)098(876)1895。