【交差点】夏季の軽装運動


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 香港は亜熱帯気候に属し、高温多湿だ。特に5月から夏場にかけて比較的雨が多く、蒸し暑い日が続く。ところが、ショッピングセンターやオフィスビルなどの室内に入ると、かなり冷房が効いているので一変して寒い思いをする。
 香港理工大学がこのほど、オフィスの冷房温度を調査した。それによると、調査したオフィスの90%が室内温度を21―22度に設定しているという。
 調査結果を受け、香港の環境保護団体は室温を人が心地よいと感じる温度の25度にし、できるだけカジュアルな服装を心掛ける「ターンアップ・ドレスダウン」運動を展開すると発表した。室温を下げることで、電気代の節約や地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を削減しようというものだ。
 国際ビジネス都市香港では、ネクタイに上着を着用する人が多い。冷え過ぎるオフィスに対応するための厚着はやめようと環境保護団体は訴えている。日本の中央官庁で取り組まれている「ノーネクタイ・ノー上着」運動は、先進事例として香港でも報道された。
 先進事例と言えば、沖縄のかりゆしウエア。私は香港でもかりゆしウエアを着るようにしており、次第に沖縄の夏服として認知されつつある。軽装運動により、香港版かりゆしウエアを普及させるのも一案だ。沖縄の事例が地球温暖化に役立ち、これを契機に相互交流が一層深まれば最高だ。
 (志村正人・県産業振興公社香港事務所長)