【チャイナ網路】メコン河畔の“国際孤児”


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 ベトナム国内には“国際孤児”に化そうとしている台湾人児童が、3千人以上存在する。先月、雑誌「商業周刊」が報じたこのニュースは、「新移民」ともいわれる外国人花嫁の問題が、すでに次世代に及んでいることを浮き彫りにし、衝撃を広げた。
 仲介業者を通じて台湾人と結婚し、渡台するベトナム人女性は、月平均千人。「ベトナム人は従順で忍耐強い」と評判も高く、東南アジア出身者では、トップの人気だ。すでに9万人が台湾に渡っている。
 が、離婚率は12%と台湾人の4倍。「子は母親のもの」と信じる彼女たちは、子供を祖国に連れ帰る。しかし、外国人に公立学校の門は閉ざされ、私立学校に通わせる経済力もなく、在留資格の更新もままならぬまま、子供たちは“貧困”という闇の中に葬り去られようとしているのだ。
 ベトナム国内でも、台湾人との国際結婚に批判が高まっている。式場で公然と花嫁の“チェンジ”を要求したともうわさの台湾人。「“母親”はわが国の輸出品目か?」。同国の大手紙も、売買婚の現状を痛烈に批判している。
 (渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)