【交差点】梅雨による被害


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 5、6月は梅雨の時期で湿気が多い。むしむしして寝付きが悪く、洗濯物が乾きにくい。不快に感じた方も多いと思う。ここ福建省も梅雨の不快感は一緒だが、梅雨の豪雨がもたらす水害に頭を悩ませているのが現状である。
 6月の降雨量は特に多く、中国南方6省では約1800万人が浸水、土砂崩れ、避難などの被害に遭った。6月末時点で死者124人、行方不明者69人に達し、ニュースは連日、豪雨による被害のすさまじさを伝えていた。福州市内の川べりからは浸水報告もあり、市街地といえど被害は免れなかったようだ。
 水害による経済的損失は、福建省だけで38億元(約570億円)。南方6省を合わせると133億元(約1995億円)に上り、復興にはかなりの時間と費用を要するであろう。
 ことしは世界各地で地震や津波などが相次いだが、今回、身近に起こった梅雨による豪雨で自然災害の恐ろしさを痛感した。平時からの安全対策や危機管理がいかに大切か、ということを深く認識させられた。
 (吉元耕己・中国沖縄民間大使)