【チャイナ網路】沖縄ガイドの最新情報


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 ここ数年の海外個人旅行の急増にともない、ガイドブックの出版件数も、驚きの成長を見せている。2、3年前までムック本がせいぜいだった沖縄関連も、昨年から堂々のメジャー・シリーズ入り。わずか1年で4冊も出版されている。
 「散歩地図・沖縄、西南諸島」と「日本攻略遊・沖縄」「こげぱん・沖縄ぶらり旅日記」は、いずれも日本のガイドの翻訳本だ。情報量は多いが、沖縄へのアクセスが本土路線に限定される点など、翻訳本の限界は否めない。
 一方、旅行作家・陳玉治が著した「個人旅行・沖縄」は、取材して書いたオリジナルだけあって、台湾人個人客への配慮にあふれている。お決まりのホテル、グルメ情報から、ゆいレールやバスの乗り方まで、実用情報満載。台湾で沖縄を“琉球”と称するいわれなど、歴史文化に多く触れているところも評価できる。
 沖縄料理を「珍しい」ではなく「懐かしい」と評するところにも、台湾人の視点を感じる。「おいしい」とは言うものの、5段階評価で満点の店はゼロ。さすが味にはシビアな台湾人、というべきだろう。
 (渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)