【チャイナ網路】ちょう落する民進党


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 先月末に実施された民意調査で、民進党の支持率がついに国民党を下回った。「陳総統の執政に不満」は、半数に迫る47%。12月3日に迫った県市長などの三位一体選挙を前に、民進党はこれまでにない危機的状況に立たされている。
 これまでも、経済問題や大陸政策では、批判を受けてきた政府だが、今指摘されているのは、その“清廉”と“公正さ”に対する疑問。高雄のMRT建設事業で私腹を肥やし、国営企業で年間1億5000万円もの株の配当金を受け取るなど、次々と露見する党幹部の汚職が、支持者の流失を呼んでいる。
 若手からは、党内の自浄を訴える「新民進党運動」も起こっているが、総統の反応は冷ややかだ。わずか5年前、汚職にまみれた国民党を、政権から追い落とした民進党は、早くも“国民党化”したかと、痛烈な批判の声が上がる。
 総統お気に入りの台湾新幹線も、開業が1年見送られ、世界最大のBOT(ビジネス・オブ・トラブル)と皮肉られる始末。“裸の王様”がこのまま目覚めなければ、政権も総統の任期とともに消滅しそうな様相だ。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)