【宜野座】宜野座村惣慶に住む阿波連宗順さん(77)が、戦前、沖縄からボリビアへと移り住んだ平安山英政さんのルーツを探している。フェイスブックで偶然つながった、ボリビア在住で平安山さんのひ孫に当たるヘンザン・マツノ・キクノさん(34)から「祖父のことを調べてもらえないか」と頼まれたことがきっかけだ。
2022年10月ごろ、阿波連さんの元に、以前から交流のあったボリビア・ベニ県リベラルタ市の日本人移民会からメッセージが届いた。最初は、茶飲み話程度のやりとりしていたが、同年12月ごろ、日本人移民会のアカウントを通じて、キクノさんから、祖父である平安山さんを調べてくれないかと相談されたという。
阿波連さんは2017年、リベラルタ市へ旅行に行った際、現地の人から「近くにヘンザンという人が住んでいるけど、彼は自分のことをチャイニーズって言うんだ」と話しかけられたという。それから5年後、キクノさんからの相談を受けた時は、同じ「ヘンザンさん」かは分からないが「不思議な縁もあるものだ」と思い、引き受けることにした。
キクノさんによると、平安山さんは1911年に本部町伊豆味からペルーに移民し、その後、ボリビアへ移り住んだ。2016年にキクノさんは知人に頼んで本部町に平安山さんの戸籍を照会したが、残っていなかった。
キクノさんの話を聞いた阿波連さんは、今年4月ごろ、平安山さんが住んでいたとされる本部町伊豆味の集落を訪れた。その際区長からは「平安山一族はずいぶん昔に伊豆味から出たよ」と教えられた。今のところ、有力な手がかりはつかめていない。阿波連さんは「体も弱って十分に動けないけど、良い報告をしてあげたいね」と話し、引き続き、伊豆味出身の平安山姓を探している。 (金城大樹)