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手引き、抱っこひもで公園へ避難 那覇市内の保育園 災害想定、園児や保護者らが訓練 沖縄


手引き、抱っこひもで公園へ避難 那覇市内の保育園 災害想定、園児や保護者らが訓練 沖縄 避難場所まで手をつなぎながら歩く向陽保育園の園児や職員ら=9日、那覇市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

 【那覇】那覇市古波蔵にある向陽保育園は9日、大規模地震と津波を想定した避難訓練を実施した。園児や職員、保護者が参加し、緊急避難場所に指定されている古蔵小学校に隣接するちびっこ公園までの約1キロの道のりを協力しながら歩いた。

 訓練は大規模地震が発生し、大津波警報が発表されたことを想定。0~5歳児69人と保護者12人、職員約20人が海抜約30メートルに位置する公園まで避難した。年長組が2歳児クラスの園児の手を引き、0~1歳児クラスは職員や保護者らが押す避難カートや抱っこひもで移動した。

 向陽保育園は沿岸部に立地しているため、職員や保護者間の防災意識の共有・向上を目的に2012年からコロナ禍をのぞき訓練を毎年実施している。園児らが歩いた避難経路は12年に琉球大の仲座栄三教授監修のもと作成した。園では過去に隣接する県営住宅への避難訓練も行ったが、園児を連れての行動は困難として、現在の避難経路となった。

 訓練終了後には園が備蓄している非常食を実食したり簡易トイレなどを紹介したりした。園では園児用のヘルメットや毛布、アルミシートなどを備蓄しているほか、古蔵小にも水などを置いている。親泊タミエ園長は「災害などの有事が起きた際、われわれは目の前の子どもたちを何があっても守る。訓練の大切さを理解してもらうためにも保護者にも参加してもらっている」と語った。

 5歳の娘と訓練に参加した宮良友美子さん(48)は「有事に備えて訓練する必要性を実感した。避難経路を歩いたことで、災害が起きた際も子どもを迎えに行きやすい。普段から家でも防災について話し合いたい」と語った。


 (吉田健一)