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沖縄戦学び平和考える 北谷・桑江中でワークショップ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北谷】北谷町立桑江中学校で10月24日、平和学習ワークショップが開かれ、3年生が参加した。県の沖縄平和啓発プロモーション事業の一環で、事業を受託した「うなぁ沖縄」の神山怜奈さんが講師を務めた。生徒らは世界の難民問題や沖縄戦について学び、平和について考えた=写真。
 生徒らは戦争の際に(1)大小のガマのどちらに逃げるか(2)誰と逃げるか-などの質問に答え、避難するシミュレーションをした。二つのガマを沖縄戦で住民の生死を分けた読谷村のチビチリガマとシムクガマに見立てた。チビチリガマは多くの住民が集団自決(強制集団死)で亡くなり、一方のシムクガマは軍国教育を受けていなかったハワイ帰りの男性の説得で住民が投降し、集団自決はなかった。
 神山さんは「同じ村内でも選択の違いで亡くなる人がいるほど、沖縄戦では生死が紙一重だった」と強調した。その上で「戦争を学ぶことは悲しいし無力さを感じるが、自分たちができることを見つけてほしい」と語りかけた。
 3年生の藏當渚さん(15)は「子どもたちは生きるか死ぬかを選べず、理不尽さを感じた。本などで戦争のことを調べて誰かに伝えていきたい」とし、自身が取り組める平和への一歩を誓った。 (石井恵理菜)