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1857年座礁船調査で報告会 多良間 オランダから絵本贈呈も


1857年座礁船調査で報告会 多良間 オランダから絵本贈呈も 座礁したオランダ船「ファン・ボッセ号」の絵本を多良間村に贈呈するオランダの関係者ら=2日、村コミュニティー施設
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 【多良間】琉球王朝時代末期の1857年、多良間村仲筋にある高田浜沖で座礁したオランダ船「ファン・ボッセ号」に関して、住民などに聞き取り調査を実施したプロジェクトチームが2日、村コミュニティー施設でプロジェクトの報告会を開催した。住民への聞き取り調査の結果などについて紹介した。
 座礁事故に関して、多良間島に関する詳細な記述がなかったため、同チームは2019年に事前調査を、22年に訪問調査を実施し、50~80代の男性12人、女性6人から聞き取った。
 同チームに所属していた沖縄国際大学の下地賀代子教授によると、証言の中には、海底に沈む金属の箱やつぼのような焼き物の目撃情報があり、60年以上前に島外から来た船のダイバーが持ち帰ったという。同チームのメンバーでオランダ文化遺産庁のヨゼ・スヒュリューアスさんは、調査結果を基にファン・ボッセ号について記した絵本「ウランダグーヌ ピルマスパナス(オランダリーフのなぞ)」を制作した。絵本はオランダ語と多良間方言、日本語で書かれているという。報告会では、オランダ側から村に絵本が贈呈された。 (清村めぐみ通信員)