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FMコザ 回復者出演、補償呼びかけも ハンセン病 知識広げて


FMコザ 回復者出演、補償呼びかけも ハンセン病 知識広げて ラジオ出演し、自身のハンセン病について語る回復者の神谷正和さん(右から2人目)ら=12月26日、沖縄市中央(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【沖縄】ハンセン病回復者の神谷正和さん(72)が12月26日、沖縄市のコミュニティーラジオ局「FMコザ」の番組「沖縄市まるっと繋がるラジオ-まるラジ-」に出演した。ハンセン病の回復者やその家族らの相談を受け、ハンセン病に関する正しい知識を広めるための活動に取り組む県ゆうな協会の非常勤相談員で、県医療ソーシャルワーカー協会理事の樋口美智子さんと共に、ハンセン病の現状などについて語った。
 神谷さんは、中学2年生の時に体に違和感を覚え、3年生の時にハンセン病と告げられた。当時、左足の膝から下はほとんど感覚がなかったという。高校1年生に国立療養所沖縄愛楽園で足の手術を受けたが、現在も後遺症と闘っている。
 神谷さんは「これまで世間からの偏見を避けるために病気のことを隠して生きてきた。相談員が配置され相談相手ができた。回復者の高齢化が進む中で勇気を振り絞って表に出ることにした」と胸中を語った。
 樋口さんは、ハンセン病元患者家族に対する補償金制度について、対象となる人の3割程度しか申請されていないと話した。請求期限が今年の11月21日までであることを強調し、「当事者本人が家族に病気のことを言えずにいることもある。今後の生活について話し合う機会にしてほしい」と呼びかけた。
 同番組は沖縄市生活支援コーディネーターの企画・制作で実施された。ハンセン病に関する相談は県ゆうな協会、電話098(832)9528。 (中川廣江通信員)