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悪戦苦闘で三枚おろし完成 国頭 漁師指導で体験、セリ見学も


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 【国頭】地域の人々へ魚食普及を進めることを目的として、このほど、魚さばき体験とセリ見学が国頭漁協施設で行われた。参加者全員が魚さばきは初めての経験。指導者は地元漁師の岡本哲也さん、平良新希さん、照屋春輝さん、山川徹さんの4人が務めた。
 参加者らはセリ市場でセリを見学。威勢のいいかけ声で競り落とされる魚に興味津々に見入っていた。
 魚さばき体験は基本的な学習の後、模範演技が披露された。ウロコむきから頭の切り出し、三枚おろしの包丁の入れ方、刺し身の切り方など細かく実演され、参加者らは真剣に見入っていた。実演でさばかれた刺し身をその場で味見すると「うまい」「新鮮」などの声が聞かれ、満足した表情が見られた。
 さばき体験には、約5キロのキハダマグロを使用。参加者らは初めて手にする大きなマグロに悪戦苦闘しながらも、2人1組でどうにか無事最後までさばくことができ、三枚おろしを完成させた。中骨に残った身はスプーンで削り、中落ちとして仕上げた。三枚におろされた身はお土産として持ち帰った。
 参加した浦崎千里さん(30)は「初めて魚をさばき、できるという自信がついた。家でもさばいて、魚好きの父にふるまいたい」と話した。中村ルミ子さん(50)は「これまでさばくことを避けてきた。切られているものしか料理したことがなく、この体験でテクニックが身に付いた。魚は捨てるところがないと感じた」と語った。
 (新城高仁通信員)