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「青い海の人魚」DC公演 琉球伝統芸能、国超え評価の声


「青い海の人魚」DC公演 琉球伝統芸能、国超え評価の声 「青い海の人魚」ワシントンDC公演の出演者ら
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米首都ワシントンDCのジョージ・ワシントン大学構内のリスナー劇場で1月13日、「青い海の人魚」の舞台公演が行われた。アンデルセンの「人魚姫」をモチーフにした舞台で、西洋のファンタジーを琉球芸能の唄、三線、箏、笛、太鼓、舞踊と融合させた、ミュージカル仕立ての作品である。
 ステージでは、地元の上地流と一心流の空手家の演武が紹介された。その後、沖縄芸能団による舞台の幕が開き、地謡により力強い琉球古典音楽や民謡の楽曲が奏でられた。踊り手は古典のあでやかな舞や軽快な民謡、空手の舞などを披露した。
 今回の企画は沖縄県の「地域の文化芸術振興事業」で、富田めぐみさん脚本・演出の「青い海の人魚」が採択され実現した。「人魚姫」の上演は、琉球芸能になじみのない人たちの興味も喚起させた。ワシントンDCでの実演で、学生や一般の観客、政府関係者や各国外交団などさまざまな層が対象になり、沖縄のアピールにつながることを重視した。
 沖縄県ワシントン事務所の玉城勝也さんは「来場した中米の大使は、踊りや音楽が素晴らしかったと興奮気味に語り、欧州の外交官は芸術、平和の心、美が融合したいい舞台だったと感想を寄せた」と話した。さらに「沖縄の伝統芸能が国を超えて評価されるいい機会になった。今回の公演に先立ち、沖縄のキャスト・スタッフとDCの学生らをオンラインで結ぶ交流会も開催され、米国側参加者は沖縄の芸術、文化について事前に予習する機会もあり、沖縄への理解がより深められたと思う」と振り返った。(鈴木多美子バージニア通信員)