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畑は遊び庭…歌・三線で集い 宜野座 


畑は遊び庭…歌・三線で集い 宜野座  農業仲間の憩いの場となっている上江田武信さんが管理する農園「ピースフルファーム」=2月3日、宜野座村松田区
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 【宜野座】宜野座村松田区で農園を営む上江田武信さん(65)が有言実行だ。「目指すは楽しみな農業。畑を遊び庭(あしびなー)にしたい」という、農業を始めた1年半前からの思いをかなえ、圧倒的なバナナ群に囲まれた農園で唄三線を奏で、自然と農業仲間が集う憩いの場となっている。

農家・上江田さん コンサート計画も
 農園では、無農薬や有機栽培に取り組む農家やジャム工房の店主、ふれあい牧場の牧場主など、それぞれの分野の「精鋭」が集う模合「やんばる爽快楽しい会」も行われる。平均年齢は75歳以上だが、全員がスマホやタブレット、パソコンを操作し、インターネット接続に「テザリング」という方法までも駆使し、畑でカラオケ大会も満喫するから驚きだ。
 模合にはSNSを通じて浦添や読谷からも参加がある。「全員がSNSで情報発信している。皆、スキルアップに一生懸命。まさにハルサーシンカ(進化)です」と語る上江田さん。農園には、SNSを通じて県外からも視察に訪れる。
 上江田さんは現代を「一億総評価時代」と表現する。皆が「いいね!」で評価し、その数に一喜一憂する風潮に、人のつながりの希薄化を感じ危惧する。「仲間がいてこそ、幸福感も感じられる」と語る。
 農業と観光という新たな沖縄の魅力を探究し、今後は農園でのコンサートも計画したいと意欲的だ。趣味と実益が同時にスタートした上江田さんの農業人生。「男の働きざかりは65歳。種の反対はネタ。たくさんの楽し実を育てていきます。あんしぇ!はまとぅいびーる」
 (池辺賢児通信員)