有料

ミャンマー避難民を知って 糸満で報告会 救援センター中尾恵子代表 「人身売買被害も」


ミャンマー避難民を知って 糸満で報告会 救援センター中尾恵子代表 「人身売買被害も」 水道がないため川で食器を洗う国内避難民キャンプの子どもたち=1月13日、ミャンマーのカレン州(ミャンマー平和創造ネットワーク沖縄エイン提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【糸満】3年前の国軍によるクーデターを発端に戦闘が続いているミャンマーの現状を伝える報告会「ミャンマー避難民の今」(ミャンマー平和創造ネットワーク沖縄エイン主催)が2月25日、糸満市の新川区公民館で開催された。日本ビルマ救援センターの中尾恵子代表が、ミャンマー避難民を取り巻く過酷な状況をオンライン報告した。
 日本ビルマ救援センターは1988年から、関西を中心に街頭募金を展開。現地の支援団体を通じてミャンマー国内や隣国タイの避難民キャンプに食料や衣類を提供し、トイレや学校の校舎建設なども行っている。
 97年から支援活動に携わる中尾さんは、昨年12月から今年1月にかけてミャンマーと国境を接するタイ北西部のメソトなどを訪れた。
 中尾さんはメソトや、ミャンマー避難民が多く暮らすタイ・ポップラ地域の状況を写真で示して説明した。ポップラでは避難民が農場や建設現場で働いているが、トイレが100人当たり2基しかないなど衛生環境が劣悪で、学校に通えていない子どもが多く、両親の留守中に人身売買の被害に遭う子どもが多いことなどを報告した。
 ミャンマーでは少なくとも、大阪市の人口に相当する270万人の国内避難民がいるとして「国際支援の届かない地域に、地元の自助組織を通じて必要な物を届ける草の根の活動の大切さを痛感している」と語った。
 那覇市の病院で看護師として働くミャンマー人女性のパンイサンさん(23)は報告会に参加し「家族や知人が心配。日本で働いて(仕送りし)国を支えたい」と話した。 (岩切美穂)