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外国人・園児と「避難」 津波想定、石垣港で訓練


外国人・園児と「避難」 津波想定、石垣港で訓練 巨大津波の襲来を想定して、外国人を担架で担いで避難する参加者ら=2月16日午前、ユーグレナ石垣港離島ターミナル(八重山毎日提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2023年度ユーグレナ石垣港離島ターミナル津波避難防災訓練(石垣市主催)が16日午前、行われた。外国人や負傷者など模擬観光客、保育園児らが参加し、ターミナルから津波避難ビルの南の美ら花ホテルミヤヒラまで、迅速な避難の手順を確認した。
 ターミナルは、国内外の観光客や竹富町民、ビジネスマンなどが利用しており、ピーク時に最大2千人超がターミナル内に滞留する。1日当たり8277人が利用。災害時における観光客等の避難誘導が必要となっている。
 訓練は、国際協力機構(JICA)研修員を模擬外国人観光客に、保育園児、石垣市、竹富町の職員ら計83人を避難者役に見立てて実施。午前10時半ごろに石垣島南方沖を震源とする強い地震が発生し、石垣島で震度6弱を観測、ターミナル内のモニター、防災無線等で災害情報を放送した。大津波警報が発表され、ターミナル内に入居する各事業者が誘導係を務めてホテルまで避難誘導体制を確認した。
 参加者たちは負傷者の外国人を担架で運んだり、園児の手を引いて誘導したりした。避難時間は11分だった。
 JICA研修員のガレン・フリッツさん(40)=ミクロネシア連邦=は「実際のケースだとパニックで対応できるか分からない」と感想を述べ、日本語が分からない外国人観光客への案内について疑問を提起した。
 講評で竹富町の山城秀史副町長は「(地震が発生したら)率先して周囲の人に声をかけて避難できるようにしてほしい」と参加者へ求めた。
 石垣市の中山義隆市長は「万が一に備えて円滑に避難誘導できるように、今後も日頃からの訓練が必要になってくる」と述べた。 (八重山毎日提供)