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藤本さん 日系社会貢献 パイオニアスピリット賞受賞


藤本さん 日系社会貢献 パイオニアスピリット賞受賞 著書を手にする藤本章さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日系社会を挙げた「二世週日本祭」は昨年で81回目を迎えた。第2次世界大戦後に日系社会が団結して二世週を再開。戦後の復興を遂げた歴史の再現を目指し、コロナ禍からの回復を誓う。最大イベントに女王の選出がある。その次が日系社会に貢献した方々の表彰で、日系社会の功労者6人にパイオニアスピリット賞が授与された。その中の一人に、岡山県出身の藤本章さん(74)がいる。
 藤本さんは1972年、22歳で日本からロサンゼルスに渡った。日米の役に立つことを人生の目標にしており、ボランティア活動を行っている組織から依頼された役職を積極的に引き受けている。現在は南カリフォルニア日系商工会議所副会頭、県人会協議会理事、岡山県人会会長を務めている。米国での歌謡文化継承や普及のために自ら設立した「日本歌手協会米国友の会」の会長として、日本で60年の歴史がある「日本歌手協会」を支援している。
 著述や作詞活動をしており、著書「太平洋を渡ったもう一つの夢」は日米で同時出版され、ロサンゼルス紀伊国屋書店で月間ベストセラー賞を獲得した。作詞を手掛けた楽曲「海を渡った人生」は海外に渡った日本人の応援歌だ。
 70歳を過ぎてからは寄付活動で社会に貢献する。小東京に建設された武道館に60万ドルを寄付したほか、岡山県の災害被災者、ロサンゼルスの敬老高齢者を守る会などにも寄付し、多くの組織から感謝状を手渡されている。今年は著書の売り上げ全額を、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の大川小学校周辺の、町おこしのために寄付する。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)