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地域課題解決へ新入生研修 OIST 国内外55人、赤土対策など学ぶ


地域課題解決へ新入生研修 OIST 国内外55人、赤土対策など学ぶ 畑を視察する新入生ら=3月8日、恩納村
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 【恩納】沖縄科学技術大学院大学(OIST)の博士課程新入生が3月8日、恩納村体験学習センターでグループプロジェクト「地域の課題解決と持続可能な実践に向けて」と題した研修に取り組んだ。24の国や地域から55人の学生が参加した。
 講師として恩納村の仲西美佐子さんは赤土流出について説明した。自然的要因もあるが、人為的要因が大きく、企業の開発工事や公共工事、土地改良工事が考えられると解説。赤土流出対策として、深耕、グリーンベルト・畔(あぜ)立て、敷草・マルチ、緑肥作物栽培、堆肥投入などいろいろな対策が取られているとし、自身の持論も提示した。
 次に那覇市首里の新垣養蜂園の新垣伝(つとお)さんが、減少している採蜜の状況を説明した。養蜂家を増やし、養蜂を広げることが農業者の副業にもなり赤土流出対策につながると説いた。
 コーディネーター役で村の農林水産課・赤土協議会の桐野龍さんは「恩納村のSDGsで継続的環境保全を行い、自然の美しさで観光客を呼び寄せ経済効果も大きい。蜜源確保のため企業の協力を得て植樹なども行っている」と説明した。
 講義後、バスで赤土流出を防ぐベチバーが植えられた現場を見学した。パキスタン出身のシャーロン・バーバラさんは「クリエーティブに村が取り組んでいるのがすごい」と話し、インドネシア出身のハムザ・ムハンマドさんは「皆が協力し地域の課題解決のために努力しているのが素晴らしい」と感心していた。沖縄出身で化学を専攻する大城実之さんは「グループプロジェクトで課題解決の良い企画が生まれるか楽しみ」と述べた。
 (小山猛三郎通信員)