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ワクワク感持って楽しんで 宮里友昭さん 北谷中校長定年退職 最後の体育授業


ワクワク感持って楽しんで 宮里友昭さん 北谷中校長定年退職 最後の体育授業 校長として最後の授業を終え、生徒が作った花道を進む宮里友昭さん=3月21日、北谷中学校
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 【北谷】北谷町立北谷中学校の前校長、宮里友昭さん(60)は3月末で定年退職を迎え、36年間の教員生活を終えた。宮里さんは3月21日、集大成となる体育の授業を行い、生徒に「ワクワク」することの大切さを伝えた。授業後、在校生は花道を作り、宮里さんに感謝の気持ちを伝えた。
 体育の教諭だった宮里さんが最後の授業に選んだのは、自身も学生時代に夢中になったバスケットボール。守備や攻撃の練習では、体の動かし方を伝えながら、生徒一人一人に「うまい」「惜しい」「ナイスパス」などと積極的に声をかけた。褒められた生徒らは自然と笑顔に。ミニゲームやフリースロー対決などでは「チームの願いが一つになった時、リングに入るよ」と協力することの重要性も伝えた。
 授業のまとめでは「人はワクワクすると楽しめる。逆だと眠たくなる。楽しむために、ワクワク感を持って学校に来てほしい」と生徒に話した。褒めることで生徒の自信やワクワク感を引き出してきた。最後の授業で「みんなを褒めることができて楽しかった」と感謝の言葉を述べつつ、教員として生徒に向き合う姿勢も示した。
 授業を受けた3年の宮里咲良さん(14)は「メリハリのある授業で、楽しむことに全力になれた。行事などでは毎回、率先して盛り上げてくれる校長先生だった」と寂しそうに語った。
 授業終了後には36年を振り返り「グッドジョブがしたくて、誰の物でもない仕事をしようと考えてきた。何事も生徒ができるようになるには、まずは教員ができるようにならなくてはいけない」と話した前校長の宮里さん。「背中を追いかけてもらえるように頑張ってきた教員生活だった」と話し、充実した表情を見せた。 (名嘉一心)