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山内盛彬の胸像建立へ公演 西原 古謡など解説 創作「虎頭山」初披露も


山内盛彬の胸像建立へ公演 西原 古謡など解説 創作「虎頭山」初披露も 司会進行を行う山内盛貴さん
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 【西原】西原町町民交流センターさわふじ未来ホールで3月30日、200人余の観客を集めて山内盛彬(せいひん)翁「胸像建立」資金造成特別公演が行われた。主催は山内盛彬翁「胸像建立」期成会(安仁屋眞昭会長)。「滅び行く文化 忍(しの)で忍(しぬ)ばれめ もち(自費)と命(ぬち)かけて 譜(ふ)文(み)に遺(ぬく)さ」と琉歌を詠んだ盛彬。盛彬が「王府おもろ」や「御座楽」など琉球民俗音楽を採譜したおかげで現在によみがえらせることができた。期成会は、この功績を顕彰するため胸像と顕彰碑を建立を目指している。
 期成会は、王府おもろ謡きゅる保存会、湛水流伝統保存会、首里クェーナ保存会、首里王府阿波連路次楽御座楽保存会、啓扇本流船乃会、阿波連本流啓扇文幸の会、玉城流いずみ会の7団体が参加している。盛彬のひ孫に当たる山内盛貴さんが、難解なおもろやクェーナを分かりやすく解説しながら司会進行した。盛貴さんは安仁屋眞昭会長と並んで王府おもろでも出演した。
 独唱3人の部では、盛彬がブラジルに行った際の印象を基にして作った「ガウチョの印象」という曲を、盛彬が考案した三山(さんやま)という三線の小型サイズの楽器を使って演奏した。
 今回初めて披露された創作舞踊「虎頭山(とらじゅやま)」では、片足立ちのままで体を回転させる難しい所作が見られた。
 司会役を終えた盛貴さんは「盛彬の意志をつないで県民に広く沖縄の音楽を伝えていこうとする先生方の活動が痛いほど分かるだけに、高齢化している先生方の思いを私の世代がしっかりと後をつないでいこうと、決意を新たにした」と語った。 (喜屋武幸弘通信員)