有料

南農で中学生「食育スクール」 長嶺中 高校生が講師、菓子作り


南農で中学生「食育スクール」 長嶺中 高校生が講師、菓子作り 「焼きまんじゅう」の作り方を学ぶ長嶺中の生徒ら =7月10日、豊見城市の県立南部農林高校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【豊見城】豊見城市の南部農林高校の生徒たちが「食」をテーマに専門高校の全学科のプログラムを提供する南農未来探究プロジェクト「わくわく食育スクールfor長嶺中」が7月10日、開かれた。近隣の長嶺中学校から3年生約170人が南部農林高を訪問。高校生が講師となって、菓子作りを指導したほか、農作物を栽培するハウスや畑を案内して交流した。
 南部農林高の食料生産科、生物資源科、食品加工科、環境創造科、生活デザイン科の計5学科で体験プログラムが提供された。野菜・果樹・作物の各コースで構成される食料生産科では、高校生が講師となって紅芋や黒糖など県産食材を生かした「焼きまんじゅう」を作った。圃場(ほじょう)にも案内され、授業の最後に高校生が栽培するマンゴーを試食した中学生らは「甘い」「おいしい」と声を上げた。
 焼きまんじゅう作りを体験した長嶺中の砂川煌空(そら)さんは「お菓子作りに興味があって参加した。おいしかった」と笑顔を見せた。中学生にレクチャーした食品生産科の我喜屋朋香さんは「普段は習う側なので、教えることの難しさもあったが、楽しかった。(体験をきっかけに)南部農林高に来てくれるとうれしい」と期待した。
 製菓やパン作りを体験し生徒を代表してあいさつした名嘉優花さんは「パン作りは工程が多くて大変だったが、先輩方が優しくアドバイスをくれて上手に作れた。農業に特化した学校だと思っていたが、お菓子作りや環境整備、地域に関わる授業に取り組んでいることを知った」と話した。
 プロジェクトは県教委の県立学校教育課主催。専門高校を基点に地域連携を推進する県キャリア・ビルドアップ事業「高度人材育成事業専門高校地域連携推進事業」の一環。現在、那覇商業高、美来工科高、南部農林高がモデル校として取り組み、2025年から県内の全専門高校で展開する予定だ。 (田中芳)