国頭村桃原区の集落は、空から見ると三角形。辺土名側、奥間側、鏡地側の3カ所にある「三角マー」と呼ばれる入り口を通らなければ、集落に入ることができない。それぞれの入り口では区民手作りのシーサーが訪れる人を出迎える。
同区は、約500年前に隣接する奥間からの移住者が作った集落だという。集落の中心には金萬神社が立ち、神行事で無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する、区民の心のよりどころとなっている。
毎年旧盆のウークイの日に、奥間区から獅子舞が来て祭祀(さいし)が行われる。独特の鉦(かね)のリズムとともに獅子が集落に現れると、怖い物見たさに子どもたちが集まってくる。最終的に区内外から約300人が集まり、にぎわいを見せるという。
区民は団結力があるといい、金城勝也区長(60)は「金萬神社パワーだよ」と笑顔を見せた。
金城勝也区長から一言 子どもたちが地域を好きになり、大人になっても戻ってきたくなるような区をつくりたい。
桃原区のメモ 2024年9月現在、107世帯約290人が住む。共同売店で販売するジューシーは区に伝わるレシピで作っており、ファンがいるほど人気だという。
(玉寄光太)