琉球新報社 高校野球の第73回県秋季大会第9日は30日、タピックスタジアム名護とアグレスタジアム北谷で準々決勝4試合を行い、4強が出そろった。興南は美里工を8回7―0のコールド勝ちで下した。具志川商は9―2で沖縄水産を制し、宜野座は6―2でコザから勝ち星を奪った。沖縄尚学は4―1で知念を破った。10月1日はタピックスタジアム名護で午前10時から宜野座―沖縄尚学、午後0時半から具志川商―興南の準決勝2試合が行われる。
宜野座は六つの犠打、三つのバント安打を決めるなど小技が光り、コザを6―2で破った。10年ぶりの4強入りを果たし、快進撃を続けている。長打力で勝ち上がってきた印象が強いが、宮城岳幸監督は「本来こういう戦い方をするチーム」と言い、1点ずつ着実に積み重ねた。
2番仲松将吾は2安打の活躍を見せ、うち1本はバント安打。1打席目から「相手守備を動かそう」とセーフティーバントを狙うが、惜しくも失敗。それでも「悪くなかった」とその後も積極的に仕掛けていき、4打席目でバント安打を成功させた。
9番東成も2打席目で俊足を生かしセーフティーバントで出塁すると、後続の犠打や内野安打で生還した。東は終盤で足がつり途中交代するが、2得点を記録し勝利に貢献した。
投げては先発許田壱哲が安定感のある投球で完投。仲松は「初球からバントを決められたら試合の流れをつかめる。精度を上げていきたい」と準決勝へ向け、気持ちを高めた。
（砂川博範）
コザ 反撃及ばず
コザは九回に2点を返すも反撃はここまで。主将で捕手の吉田夕槻が要となり、手堅い守備から攻撃のリズムをつくりたかったが、失策から先制されると、宜野座の犠打やセーフティーバントを絡めた「細かい野球」でじりじりと点を奪われていった。
「取れるアウトをしっかり取りきれなかった」と悔しがる吉田。「まだ力不足だ」とチームの立て直しを誓った。
（砂川博範）
