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日本シリーズ第2戦 宮城力投、オリックス1勝 オリックス―阪神


日本シリーズ第2戦 宮城力投、オリックス1勝 オリックス―阪神
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 SMBC日本シリーズ2023は29日、京セラドーム大阪で第2戦が行われ、パ・リーグ3連覇のオリックスがセ・リーグ王者の阪神に8―0で快勝し、対戦成績を1勝1敗とした。オリックスは三回に西野の適時三塁打で先制し、四回は野口と広岡、中川圭の3連続適時打で3得点。七回は代打ゴンザレスの3点二塁打で突き放した。先発の宮城は6回4安打無失点と好投。阪神先発の西勇は4失点で四回途中に降板し、打線は4安打で零敗した。阪神は1985年以来2度目の日本一を目指し、オリックスは2年連続6度目(阪急時代を含む)の頂点を狙う。30日は試合がなく、31日の第3戦は舞台を甲子園球場に移して実施される。

6回5K零封 猛虎打線の勢い止める

 冷静に、そして時に熱く腕を振った。オリックスの宮城は、前日にエース山本が7失点を喫する衝撃的な敗戦を目の当たりして「しっかり勝たないと阪神に全部持って行かれる」と気合を入れた。22歳にして日本シリーズ4試合目のサウスポーは、勢いに乗る相手にも動じない。6回無失点に封じて勝利に導き「流れをこっちに持ってこられた」と胸を張った。

 阪神戦は過去2戦2敗と相性は良くなかった。「そういうのは捨てて、初対戦と思って」と臨んだマウンド。際どい判定に泣かされる場面もあったが、集中力を失わなかった。根気強く厳しいコースに投げ込んだ。

 熱い気持ちを出したのが1点を先制した直後の四回。2死から連打で一、二塁のピンチを背負ってノイジーを迎える。フルカウントから、フォークボールを沈めて空振り三振を奪った。体をくの字に折りながら、力強く叫んだ。

 完全習得を目指していたフォークボールの投げ方は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表で、ダルビッシュ(パドレス)から伝授され、自分流に磨いてきたもの。大一番で集大成の一球を投じ「まだ完全ではないけど、そういう場面で投げられたことは自信になる」と誇った。

追い付いた方やや優勢

 過去73度の日本シリーズで1勝1敗となったのは、引き分けがあるケースも含めて34度。そのうち先手を取ったチームの日本一は16度、追い付いたチームは18度で、後者がやや優勢となっている。

 ただし、オリックスの1勝1敗は前身の阪急時代を含めて過去6度あるが、全て敗退している。


 オリックス―阪神第2戦(1勝1敗、18時33分、京セラドーム大阪、33584人)
阪神
 安 100 300 000 |4
   000 000 000 |0
   001 300 31×|8
 安 002 402 31 |12
オリックス
(神)西勇、ビーズリー、岡留、島本、加治屋―坂本、長坂
(オ)宮城、宇田川、山崎颯、小木田―森
▽勝 宮城1試合1勝
▽敗 西勇1試合1敗
▽三塁打 西野
▽二塁打 ゴンザレス、森
▽残塁 神4オ11
▽併殺 神0、オ1
▽失策 大山、小幡
▽投手失策 西勇
▽与死球 加治屋(T―岡田)
▽審判(球)市川、福家、深谷、石山、嶋田、津川
▽試合時間 3時間9分

 【評】オリックスが12安打で快勝した。三回に西野が先制三塁打。四回は2死から好機をつくり、野口、広岡、中川圭が続けて適時打を放った。七回は2死満塁で代打ゴンザレスが走者一掃の二塁打。宮城が6回4安打無得点に抑え、救援陣も危なげなかった。阪神は西勇が4失点で四回途中KO。4安打の打線は七回以降は走者も出せず、零敗を喫した。

やり返せた

 オリックス・中嶋監督 昨日の試合(第1戦)が本当に申し訳ないと思ったので、やり返せて良かった。宮城にプレッシャーがかかったが、しっかりやり返してくれた。甲子園では厳しい展開になると思うが喜んでもらえる試合にしたい。

西勇は自滅

 阪神・岡田監督 (三回の西勇は)けん制(悪投)で自滅みたいなもの。(四回)2死からの四球も下位打線にいくところ。(打線は)捉えたものもあったが、後手後手になっている。ああいう展開になったらあかん。

(共同通信)