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公務員ランナー牛山、中盤で抜けだし初出場V 「スタートの鐘聞いて、闘争心芽生えた」 NAHAマラソン


公務員ランナー牛山、中盤で抜けだし初出場V 「スタートの鐘聞いて、闘争心芽生えた」 NAHAマラソン 男子1位でフィニッシュし、拳を突き出す牛山純一=3日、那覇市の奥武山陸上競技場(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 砂川 博範

 3日に開催された第37回NAHAマラソン。天気にも恵まれ、沿道からは大勢の観客が声援を送った。本島南部5市町を巡る「平和祈念公園コース」(42.195キロ)で、男子は初出場の牛山純一(長野、CITY RUNNER)が2時間22分11秒でゴールし、初優勝を成し遂げた。女子も初出場の鴈原(がんばら)淳子(東京、葛西ランナーズ)が2時間48分34秒で初栄冠をつかんだ。男子2位は黒田雄紀(千葉、ONE TOKYO RC)、女子2位は安里真梨子(豊見城市、らんさぽ)、男子総合4位で県勢1位は宮城響(名護市、なんじぃAC)だった。

 中盤で2位を突き放し、一人旅で疾走した。40歳の公務員ランナー、牛山純一(長野)が初出場で栄冠をつかんだ。左足裏の痛みを抱えながらも、2時間22分11秒でゴールテープを切った。最後まで腕を振り続け「今年は故障があり、走りきれるか不安もあった。完走できて良かった」と息を弾ませた。

 序盤は抑えるつもりでいたという。だが、「スタートの鐘を聞いて、闘争心が芽生えた」と作戦を変更。最初からギアを上げ、黒田雄紀とデッドヒートを繰り広げた。

 12キロを超えたあたりで、牛山が黒田との差を付け始める。足の痛みがあっても「自分がレースをつくる」と強い気持ちで前に出て、独走状態に入った。終盤ペースが落ちるが「大丈夫。このまま行く」と自分を信じ続けた。

 現在は長野県茅野市の職員として勤務する傍ら、各地の大会で実績を積んでいる。沖縄入りした際、ユニホームやシューズを入れた手荷物が届かないトラブルにも見舞われるが、逆境をはねのけ優勝した。「2連覇を目指して頑張る」と40歳を超えてもなお、意欲は衰えていない。

 (砂川博範)