J1鹿島の知念慶(28)=南風原中―知念高―愛知学院大出=にとって2シーズン目は新たな挑戦の年となりそうだ。宮崎キャンプで新監督から司令塔の役割をこなすボランチをやらないかと提案され、試行錯誤を続けている。「与えられたポジションでやるだけだが、やりながらいろんなことを勉強し、吸収している段階。楽しみの方が大きい」と新たな可能性に挑む。
昨季、チームは5位。知念は34試合中21試合に出場し、チーム2番手となる5得点を挙げた。一番印象に残っているのは古巣の川崎から得点を奪った2月の試合。「簡単なシュートではなく、きれいに流し込まないと入らない場面」で、クロスを頭で決めた。
それでも「年間を通して試合に出続けることができなかった。チームとしても個人としても浮き沈みのあるシーズンだった」と笑顔は見せない。「けがで2、3回離脱があった。再発みたいな感じで同じ所をやってしまった」とし、「けがなしで1年間いい状態で戦い抜くことが一番」と、万全な体調維持や体のケアを重要視する。
キャンプ中、ランコ・ポポヴィッチ新監督からボランチに指名された。FWが長く、ほとんど経験のないポジションだが「チャンスが広がったと思っている。守備でも強度高くいけるのが自分の強み。セカンドボールを奪いにいく、相手をつぶす、守備や球際で求められる部分は今でも通用すると思っている」と自信をのぞかせる。
監督からは展開力、ゲームの流れを読む力があると評価されたと言い、「キャンプを終えていい感じできている」と手応え十分だ。「J1というレベルの高い環境で新しいポジションをやることはすごく大きなチャレンジ。簡単なことではなく、相当な練習と覚悟が必要」とファイティングボーズをとり続ける。ボランチもこなす知念がピッチで輝きを放つシーズンになるか。期待が掛かる。
(大城三太)