今大会では、ほとんどの選手がスイムで苦戦していた印象がある。「M字」を描くようなコースに変更されたことによって、潮の流れに影響された。リタイアした選手から多く聞かれたのは、これまで以上にスイムが難しかったという声だった。さらに、気温と湿度の高い状態が続いたことも、選手にとっては痛手だったと思う。
男子1位の寺澤光介と女子1位の上田藍は、プロとして他の選手を引き寄せない圧巻のレース展開だった。2人ともバイクで安定した走りを見せ、得意とするランで2位との差をさらに広げた。フィニッシュタイムで見ても、男子は寺澤と2位の山岸穂高は約17分、女子は上田と2位の巖淵知乃は約19分の差があった。プロとアマチュアの力の差が歴然と表れた。
選手同士が激しく競り合うレースが見どころだった宮古島大会は、上位だけを見ても、年々、実力の差が開いている印象がある。選手全体の実力を底上げすることや、コースの見直しをすることでさらに面白い展開の大会になると思う。次回はトライアスリートとしてのレベルをさらに高め合える大会に期待したい。
(談、チームゴーヤーコーチ)
(第38回全日本トライアスロン宮古島大会)
(渡真利優人)