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上田快挙 総合10位 圧巻の走り 女子制す 宮古島トライアスロン


上田快挙 総合10位 圧巻の走り 女子制す 宮古島トライアスロン 初出場で女子の部を制し、総合でも10位に入った上田藍=14日、宮古島市陸上競技場(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 【宮古島トライアスロン取材班】第38回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市、琉球新報社)は14日、与那覇前浜ビーチから出発して宮古島市陸上競技場をゴールに行われた。女子は初出場の上田藍(千葉)が7時間2分38秒で初優勝を果たした。上田は総合順位で10位となり、女子選手として大会史上初めて10位以内に入った。男子は前回王者の寺澤光介(東京)が6時間25分4秒で2連覇を果たした。今大会はスイム3キロ、バイク123キロ、ラン35キロの計161キロで行われた。ランコースは前回大会から5キロ延び、周回コースからコロナ禍前の平良城辺線を折り返すワンウェイのコースに変更された。

 宮古島大会に新たな風を吹き込んだ。オリンピアンとして圧巻の走りを見せつけた上田藍(千葉県)が初出場の同大会を初制覇した。ゴール時には「めっちゃ暑かった」と語るも、火照った顔にさわやかな笑顔を見せた。女子選手として初めて総合10位に入賞する快挙を成し遂げた。

 北京、ロンドン、リオと五輪に3大会連続で出場した経験を持つ。2022年にこれまでのショートからロングに転向し、宮古島大会初出場となった。

 スイムでは復路で波の影響を受けたといい、「体力をキープするため、ペースは上げるのではなく、維持するようにしていた」とレース展開を見据えていた。

 女子トップで陸へ上がると、バイクでも独走状態を維持した。ただ、序盤10キロ地点を過ぎた辺りから、後ろを何度か振り返る様子があった。上田は「初めての大会だったので、ほかの選手の距離感やスピードを確認していた。コースミスをしないように警戒していた」と振り返る。

 バイクからランのトランジット時点で2位とは約6分の差。ランを得意とする上田はペースを落とすことなく力走。先行する男子選手を次々に追い抜いた。厳しい暑さからか、全てのエイドステーションに寄り、スポンジの水を大量に浴びてクールダウンした。

 過酷な暑さとなったレースを支えたのは沿道からの声援だった。「『藍ちゃん頑張れ』という声援と、水をくれた子どもたちに助けられた」と満面の笑みを浮かべる。

 次回大会への出場も前向きに捉えている上田。「初出場の大会でいいスタートを切ることができた」と達成感をかみしめた。

 (渡真利優人)