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首里、団体3位 佐賀に敗れる 北部九州総体・なぎなた


首里、団体3位 佐賀に敗れる 北部九州総体・なぎなた 決勝トーナメント2回戦 メンを打ち込む首里の大将・栄野川美羽(左)=29日、大分県のレゾナック武道スポーツセンター(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は29日、九州各県で行われた。なぎなた団体で3連覇を狙う首里は準決勝で牛津(佐賀)に敗れ、3位だった。


序盤 打突の隙突かれ

 県勢史上初の団体3連覇を懸けて挑んだ首里。予選リーグを危なげなく勝ち進み、王者としての貫禄を見せ続けた。

 挑んだ準々決勝は首里にとって最初の危機だった。先鋒(せんぽう)の與那嶺そら(3年)が今大会初となる、相手の旗を上げさせてしまう。次鋒、中堅、副将と引き分けにつなぎ、栄野川美羽主将(同)がコートに立った。なぎなたの切っ先が互いに触れ合う「遠間」の状態を破り、すかさず前へ踏み込みすねを奪った。互いに一本ずつを取り合い、代表戦へ。

団体試合で全国3位に輝いた首里の選手ら(大城直也撮影)

 大一番の勝負を託されたのは栄野川だった。「相手の小手を警戒していた」といい、隙を見定めると、小手から面の鮮やかな二段打ちで一本を取った。「先に一本を取られてしまったが、全員が下を向くことはなかった。これがチームということを実感した」と結束力を再認識した。

 準決勝の相手は6月の全九州高校大会で敗れた牛津(佐賀)。雪辱を期すべく挑んだが序盤から打突の隙を突かれ、次々に一本を奪われた。終盤まで流れをつかむことができなかった。

 栄野川主将は「3連覇を目指していただけに準決勝で負けたのは悔しい。一方で助け合いながらここまで来た過程は良かった」と、共に戦い抜いたチームメートをたたえた。

 (渡真利優人)


母、監督として挑んだ大会 栄野川(首里)の成長たたえる

試合に挑む首里の大将・栄野川美羽(右)に声を掛ける栄野川里美監督(大城直也撮影)

 準決勝で敗れた首里の選手たち。控室に戻った途端、こらえていた涙があふれた。特に、主将の栄野川美羽は膝から崩れ落ち号泣。栄野川里美監督は目を腫らす選手たちの肩を一人ずつたたき、「よく頑張った」とねぎらった。

 美羽と栄野川監督にとっては親子で挑んだ大舞台だった。栄野川監督は、他のメンバーと不平等にならないように、娘の美羽とは一定の距離を取り続けていた。「母親として、監督として難しい面もあった」と振り返った。ただ、なぎなたを通して娘の成長をそばで見てきた2年半でもあった。主将になった当初はプレッシャーから泣くことも。「今では精神面で大きく成長した」と実感する。

 チームを率いた娘に対し「重圧はあったと思うが、頑張ったと伝えたい」と話した。

 (渡真利優人)


相手の早い打突に翻弄 大木(知念)決勝T2回戦敗退

 個人試合決勝トーナメント2回戦に進出した大木みらい(知念2年)。相手が繰り出す素早い打突に翻弄(ほんろう)された。

 得意な面を打つと同時に相手が小手を打ち込む妙技を披露。審判員の判定も割れ、3人のうち1人は大木に、残り2人は相手の旗を上げた。

 その後は「一本取られて気持ちに焦りが出てしまった」といい自分の流れに持ち込むことができなかった。二本目はなぎなたをよける動きが相手に読まれ、すかさず面を打ち込まれた。

 初出場の全国総体に「自分のレベルを知ることができた。初めて見る技もあった」と収穫を得た。「技のレパートリーを増やして、どんな相手にも勝てるようにしたい」とさらなる成長を誓った。

 (渡真利優人)


(大分県レゾナック武道SC)

▽団体決勝トーナメント1回戦

首里 4―0 植草学園大付(千葉)
○与那嶺 1―0 佐々木
○宮平 1―0 青野
○具志堅 1―0 久保田
 山城 0―0 渡辺
○栄野川 2―0 関

▽同準々決勝

首里 1―1代表勝ち 長府(山口)
 与那嶺 0― 1中邑○
 宮平 0―0 田村
 具志堅 0―0 山田
 山城0―0 中野
○栄野川 1―0 米沢
○栄野川 1―0 中邑

▽同準決勝

牛津(佐賀) 3―0 首里
○小森 2―0 与那嶺
 田中 0―0 宮平
○大谷 2―0 具志堅
○久保田 2―0 山城
 光岡 0―0 栄野川

▽個人決勝トーナメント2回戦

小野栞(大分・玖珠美山) 2―0大 木みらい(知念)