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真栄城、宮里、金城ら優勝 第2回沖縄空手少年少女世界大会


真栄城、宮里、金城ら優勝 第2回沖縄空手少年少女世界大会 首里・泊手系、那覇手系、上地流系、古武道(棒)部門の優勝者=12日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 第2回沖縄空手少年少女世界大会(主催・同実行委員会、県、沖縄伝統空手道振興会)は12日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで首里・泊手系、那覇手系、上地流系の3部門15種目、古武道(棒)4種目それぞれの決勝を行った。首里・泊手系少年少女IIIは花城光太郎が、那覇手系少年Iは真栄城豪が頂点に立った。上地流系少女Iは宮里ハンナが、古武道(棒)少女Iは金城葵依が1位になった。


【那覇手系】迫力演武で存在感 真栄城

 那覇手系少年Iで頂点に立った真栄城豪(空手武道剛柔流)。「ライバルだった先輩が(卒業して)いないので、ここは勝たないといけなかった」と安堵(あんど)した表情を浮かべた。

 数日前の九州中学総体でも優勝し、勢いのままに挑んだ今大会。決勝で演武したシソーチンは、予選でも1位通過した「一番得意で自信のある形」だった。指先まで力を込め、序盤の突きから勇ましく迫力のある演武で存在感を示した。九州中学総体など過密なスケジュールで練習時間は十分ではなかったが、大会の中で演武を仕上げていった。「ほどよい緊張感で、全体的にミスもなかった」と安定感に手応えを感じている。

 小学1年で空手の世界へ飛び込み、今は連続で優勝を手にする実力者となった。「全中も含めて全ての大会で安定して1位を取りたい」と目標を掲げた。

 (名波一樹)


【上地流系】課題を修正し栄冠 宮里

 上地流系少女I優勝の宮里ハンナ(上地流空手道拳優会)は、数日前の九州中学総体団体組手で初戦敗退していた。気持ちを新たに栄冠をつかみ「(九州中学総体)でドタバタした中で出られたことに感謝したい」と謙虚に語った。

 初戦は緊張したが、決勝はリラックスできたという宮里。幼少より空手を始め、10歳から鍛錬を重ねてきたセーサンを決勝の舞台で選んだ。これまで力をうまく伝えられないことが課題だったが、肩を前に出さず鋭く突き出した。

 最後までまとまった演武で「過去一番できた」と納得の表情。一方で「ジャンプした後の着地で足がずれた」と反省も忘れない。上地流系少年Iでは同門の上原道も優勝し「2人で勝ててよかった」と喜んだ。

 来年からは高校生で、よりレベルの高いステージに挑む。「大人に負けない強い形ができるようになる」と技に磨きをかけ続ける。

 (名波一樹)


【古武道】棒さばき、緩急つけ 金城

 古武道(棒)少女Iを制した金城葵依(沖縄空手・古武道小林流礼邦館協会)。前回大会は緊張から力を発揮できなかったが、「ベストを出して1位になれてうれしい」とメダルを手に涙を流した。

 「一番きれいな演武をする」と意気込んで挑んだ。緊張に押しつぶされそうにもなったが「練習だと思ってやった」と重圧をはね返した。決勝で演武したのは、速さが特徴的な公望ぬ棍。安定した足腰から力をうまく伝え、緩急をつけた棒さばきを見せた。しかし「膝に棒が当たってしまったので95点」と満点は与えない。

 空手は4歳から、古武道は小学4年から始めた。10月に控える大会に向けて「中学生も高校生もミックスの大会。年上を抜いて優勝する」と自信に満ちあふれた表情を見せた。

 (名波一樹)


【首里・泊手系】2年ぶり雪辱果たす 花城

 首里・泊手系少年少女IIIの決勝で花城光太郎(国際沖縄少林流聖武館空手道協会)が2年ぶりの雪辱を果たした。相手とは前回大会でも決勝で戦い、惜しくも優勝を逃した。熱戦を制し「緊張したが勝ててうれしい」と喜んだ。

 演武したのはセーサンで、速度とキレのある突きや蹴りを繰り出した。前回優勝を逃した悔しさを胸に、気迫のこもった演武を見せつけた。腰を落として拳を早く突き出すことを練習から意識。「やってきたことがうまくできた」と満足げだ。ただ、連続の突きと蹴りの間に、緊張で一瞬足がふらついた場面もあった。それでも持ち味の力強さを武器に25・50点で頂点に。0・05点差の接戦の末に前回優勝者を下した。

 映画「ベスト・キッド」に影響を受け、小学1年から空手を始めた。「次の世界大会も連続で優勝したい」とさらなる飛躍を誓った。

 (名波一樹)


 【首里・泊手系】

▽少年少女Ⅰ (1)柳沢仁(2)阿童悠翔(3)青木史門、比嘉巳津喜

▽同Ⅱ (1)島袋日南彩(2)糸数エミル(3)髙木彩也華、知花颯星

▽同Ⅲ (1)花城光太郎(2)島袋由彩(3)石川彩由、徳比嘉健斗

▽少年Ⅰ (1)湧川辰樹(2)宮里陽(3)吉田匠吾、亀川陽彩

▽少女Ⅰ (1)島袋愛彩(2)大城美穏(3)西里梨杏、村吉姫南子

 【那覇手系】

▽少年少女Ⅰ (1)大浜愛結(2)金城玲花(3)松山隼和、鷹羽柚奈

▽同Ⅱ (1)田村晶(2)大城清和(3)銘苅陽菜乃、平田和真

▽同Ⅲ (1)宇根蒼太(2)仲宗根悠惺(3)屋比久和奇、上原蔵之進

▽少年Ⅰ (1)真栄城豪(2)玉城 颯環(3)上原朋己、具志昊空

▽少女Ⅰ (1)金城樹佳(2)藤澤 美綺(3)三浦結衣、長谷川凜

 【上地流系】

▽少年少女Ⅰ (1)小澤龍(2)峯岸葵(3)田仲功大、島袋慣

▽同Ⅱ (1)笹原和夏(2)宮崎晴太(3)諸見里駿、川満惇平

▽同Ⅲ (1)塩濱崇介(2)藤岡煌大(3)由良泰羅、玉那覇有尚

▽少年Ⅰ (1)上原道(2)塩濱暖(3)齊藤玲雄、渡久地瑛太

▽少女Ⅰ (1)宮里ハンナ(2)石川杏(3)林ゆい、大木一夏

 【古武道(棒)】

▽少年少女Ⅱ (1)山部桜歌(2)宮里琉正(3)笹原和夏、吉平龍貴

▽同Ⅲ (1)伊藤展梧(2)九谷慶(3)糸数雷士、安次嶺銀次郎

▽少年Ⅰ (1)横田龍輝(2)栗山現太(3)伊藤瑚太郎、小森翼

▽少女Ⅰ (1)金城葵依(2)橋爪沙英(3)大木一夏、能勢結愛