国民スポーツ大会「SAGA2024」は15日、会期前競技を佐賀県や鹿児島県で行った。SAGAサンライズパークSAGAアクアで行われた競泳では、少年女子B50メートル自由形決勝で平良吏美華(那覇西高)が25秒79で頂点に立った。14日の少年女子B100メートル自由形も制しており、県代表で国スポ(国体を含む)初の2冠を達成した。
最後にスパート 0・05秒差
最後のタッチまで勝負の行方がわからなかった少年女子B50メートル自由形決勝。最後にスパートをかけて、わずか0・05秒差でかわした平良吏美華(那覇西高1年)が頂点に立ち、100メートルとの2冠を達成した。タイムを確認した平良はゴーグルを外しながら、何度もガッツポーズ。表情はどこか安堵(あんど)した様子だった。
前日の試合の疲れもなく、予選は全体2位で決勝進出を決めた。しかし、決勝は苦手なスタートでいきなりつまずいた。「飛び込んだ瞬間に終わったと思った」。飛び込み角度が悪かったのか、入水した瞬間から加速がうまくいかず、スピードが出なかった。ドルフィンキックが苦手なこともあり、浮き上がった段階でトップとは体半分ほど差が付いていた。
内心、焦りしかなかったがそれでも落ち着くことを意識。「絶対に2冠する」との思いを支えに最後の10メートルは息継ぎなく、いつもより、水をかくピッチを上げた。「タッチした瞬間は負けたと思ったが、名前のそばに『1』とあった」。冷静に順位確定の瞬間を振り返りながらも声は弾んでいた。
スタートのつまずきはあったものの自己ベストに0・03秒と迫る好タイム。それでも「スタートを完璧に仕上げたい」と反省も忘れない。今後は日本選手権(25メートル)やジャパンオープンなど年齢カテゴリーのない試合も控えている。「年齢に関係なく、高校1年から活躍できるようにしたい」。新たな歴史をつくった平良の挑戦はまだまだ続く。
(屋嘉部長将)
<競泳>
(佐賀県SAGAサンライズパーク水泳場)
▽200メートルバタフライ予選 (15)片桐瑠夏(那覇高) 2分3秒42=落選
▽100メートル背泳ぎ予選 (16)仲宗根裕也(コザ高) 59秒27=落選
▽50メートル自由形予選 (2)平良吏美華(那覇西高) 26秒05=決勝進出
▽同決勝 (1)平良吏美華(那覇西高) 25秒79
▽100メートル背泳ぎ予選 (15)川瀬水紅(那覇西高) 1分6秒49=落選