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Bリーグ2部の福井、格上キングス相手に奮闘 沖縄県出身・伊佐HC「可能性感じた」


Bリーグ2部の福井、格上キングス相手に奮闘 沖縄県出身・伊佐HC「可能性感じた」 選手に指示を出す福井ブローウィンズの伊佐勉HC(左)=17日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 17、18の両日、沖縄アリーナで琉球ゴールデンキングスとプレシーズンマッチを行ったB2の福井ブローウィンズ。福井で指揮を執るのはキングスでもアシスタントコーチ(AC)やヘッドコーチ(HC)を務めた宜野湾市出身の伊佐勉HCだ。キングスにも在籍していた宜野湾市出身の渡辺竜之佑(コザ中―福岡第一高―専修大出)も出場した。3シーズン連続でB1ファイナルに勝ち進んだキングスの壁は高く、2試合連続で敗れたものの、大きな経験を得た。B1昇格に向けた今シーズンへの意気込みなどを2人に聞いた。


伊佐HC「可能性感じた」

 「B1への最速昇格」をチームの目標にしている福井ブローウィンズ。チームを率いる伊佐勉HCが、地元・沖縄に整備された沖縄アリーナで初めて指揮を執った。「選手もコーチも互いのチームが躍動するすてきなアリーナ」(伊佐HC)での試合は、格上の琉球キング相手に奮闘したものの、17日は72―82、72―79と連敗した。それでも、課題や収穫が多かったのか「開幕までにBリーグのトップチームのレベルを経験したことで、いい練習ができる」と語った。

 リバウンド王を取った経験のあるジャック・クーリーを中心にフィジカルの強さだけでなく、岸本隆一や伊藤達哉らのスピードにうまく対応できず苦しめられた。「B1レベルのフィジカル、スピードに全く守備が機能せず、遊ばれた感じ。10点差だったが、全然ゲームになっていなかった」。試合後の伊佐HCの評価は辛口だった。

 18日の試合は、個人技では抜かれる場面は多かったが、リバウンドを全員で取りに行くなどチームバスケットでキングスと張り合う場面もあった。伊佐HCは「すごくいい収穫があった。キングスとゲームになったという印象だ。われわれのチームに可能性を感じた」と手応えを感じているようだった。

 昨季、B3に参戦した福井。B3新記録となる31連勝をマークし、レギュラーシーズン46勝4敗で昇格を決めた。プレーオフも含めホーム負けなしと完全勝利で勝ち上がってきたが、B2にはB1を経験したチームが多く、さらに福井が入った東地区は強豪チームがそろう。

 厳しいシーズンが予想されるが、伊佐HCは「(18日の試合の)チームバスケットをしたら、今でもB1で何勝かはできると思う」と力を込める。昨季の途中から、ファンが会場に足を運んでくれるようになり、応援が熱を帯びるようになった。

 福井の人たちがバスケットを楽しんでいることを肌身で感じている伊佐HC。「優勝はしたいが、それよりも昇格することを最優先し、日々努力をしていきたい」。B2でも福井旋風(せんぷう)を吹かせる。

 (屋嘉部長将)


コザ中出・渡辺 「守備は通用した」

第2Q、ディフェンスリバウンドを取る福井ブローウィンズの渡辺竜之佑=17日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)

 宜野湾市出身の渡辺竜之佑(コザ中―福岡第一高―専修大出)は2試合ともに先発出場した。「守備の強みは通用したと思う」と言うように、体を張った守備で見せ場をつくった。

 キングスの岸本隆一らハンドラーとマッチアップすると激しいマークでボールを簡単に運ばせなかった。ゴール下では189センチながらジャック・クーリーやケヴェ・アルマら外国籍選手とも激しくリバウンドを取り合い、ボールを奪取した場面もあった。

 沖縄アリーナでの試合は、サンロッカーズ渋谷に在籍していた2022―23シーズン以来。地元の友人らも観戦に来ており「(試合を見に来てもらい)素直にうれしかった。福井の試合もチェックしてもらっていたので、応援してくれる人のためにももっとバスケットを頑張っていきたい」とパワーをもらったようだ。

 今季はB1昇格が目標だ。「B1上位のキングスと試合ができて、すごくいい経験になった。フィジカル面での課題も感じたが、強度を高めてB2でも勝てるようにしていきたい」と意気込んだ。

 (屋嘉部長将)