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逆転に次ぐ逆転…沖縄尚学が終盤一気の攻勢 代打・阿波根が貴重な勝ち越し打 県高校野球秋季大会


逆転に次ぐ逆転…沖縄尚学が終盤一気の攻勢 代打・阿波根が貴重な勝ち越し打 県高校野球秋季大会 沖縄尚学―エナジック 8回2死二塁、勝ち越しの適時三塁打を放ち、三塁へ滑り込む沖尚の阿波根裕=6日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 6日に沖縄市のコザしんきんスタジアムで行われた第74回県高校野球秋季大会は、九州地区大会出場を決めているエナジックと沖縄尚学が県1位を懸け、決勝を争った。沖縄尚学は初回、エナジックに2失点を許し、その後もリードを広げられ0―3とされたが、三回に1点を奪取し反撃に転じた。四回に1点、五回に2点を挙げて4―3と逆転。しかし直後の五回裏で再逆転を許して4―5に。それでも六回に1点を返して同点に追いつく。さらに八回に2点、九回にも1点を追加して引き離した。投げては4投手の継投で、六回以降を無失点に封じ、2年ぶり11度目の頂点に立った。

阿波根、一進一退の攻防 勝利呼ぶ

 逆転に次ぐ逆転で沖縄尚学が打撃戦に競り勝った。一進一退の攻防から勝利を引き寄せたのは代打の阿波根裕。5―5で迎えた八回2死二塁、「常にいく準備はできていた」と打席に入った。直球を振り抜き、打球は右中間へ落ちる勝ち越しの適時三塁打に。

 これを皮切りに点を重ね、エナジックを8―5で振り切った。阿波根は「本当にうれしい。大きい1点だった」と白い歯をのぞかせた。

 8月の新人中央大会決勝では、エナジックに1―3で敗北を喫していた。約2カ月ぶりの再戦となった今大会決勝。初回で2点を奪われ背を追った。逆転してもすぐに再逆転を許した。「劣勢だけど、1点ずつ返していこう」(眞喜志拓斗主将)。苦しい展開にも犠打を重ねて、守備を崩さず粘り勝った。

 比嘉公也監督は「あの重圧の中で打ってくれたのは大きかった」と、起用に応えた一打をたたえた。

 阿波根は「1位で九州大会に出場できるのはよかった。まずは1勝して、センバツに行く」と力を込めた。

 (名波一樹)


11安打に5犠打 コツコツ重ねる 劣勢を引っ繰り返す

 計11安打、五つの犠打飛とコツコツと積み重ねて劣勢をひっくり返した。

 まずは背を追う三回、宮城泰成がチーム初の1点をもたらした。2死三塁から「後ろにつなげる」と浮いたスライダーを中前への適時打とした。

 五回は無死一、二塁で宮城がバントで三塁線に沿って転がし、好機を広げる。新垣瑞稀の二ゴロ、山川大雅の適時打でこの回に2点を奪って1度目の逆転に成功した。

 眞喜志拓斗主将は「一致団結し、粘り強く戦えたのは自信になった。課題を修正して九州に挑み、センバツを目指す」と意欲を高めた。

 (名波一樹)


▽決勝

 沖縄尚学
  001 121 021|8
  210 020 000|5
 エナジック

(沖)田場、新垣有、大城、末吉―山川
(エ)瀬良垣、知花、福本―山城
▽三塁打 阿波根(沖)、福本(エ)
▽二塁打 山川、新垣瑞(以上沖)