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【プロ野球ドラフト】西武6位龍山「この世代の顔の捕手に」 エナジック高1期生から「歴史つくる」 沖縄


【プロ野球ドラフト】西武6位龍山「この世代の顔の捕手に」 エナジック高1期生から「歴史つくる」 沖縄 西武から6位指名を受け、胴上げされる龍山暖=24日午後7時16分、名護市のエナジックスポーツ高等学院(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 プロ野球のドラフト会議が24日、東京都内で開かれ、県勢は、エナジック高の龍山暖(たつやまはるき)(読谷中出)が西武から6位指名、神戸国際大付高の津嘉山憲志郎(美東中出)がソフトバンクから育成7位で指名を受けた。


 名護市瀬嵩のエナジック高からプロへと羽ばたく。1期生の仲間たちと中継を見守っていた龍山暖(たつやまはるき)は、西武から6位の指名を受けると、長い緊張から解かれて安堵(あんど)の表情を浮かべた。こみ上げる思いに目を赤くしながら、「この世代の顔になるような捕手になる」とりりしく語った。

 野球をやっていた兄と、野球アニメの「メジャー」に影響を受け、小学2年から白球を追い始めた。中学では読谷ボーイズに所属。中学3年生のときに神谷嘉宗監督からの誘いを受け、「新しい歴史をつくっていきたい」とエナジック高進学を決めた。

 選手自身で判断する“ノーサイン野球”で戦ってきたが、当初はうまくかみ合わず戸惑いもあった。それでも3年生となる24年の県春季大会で初優勝を成し遂げ、その名を轟(とどろ)かせた。強肩捕手として、龍山自身も注目を浴びるようになった。しかし夏は興南との熱戦の末、あと一歩で甲子園への切符を逃した。「負けて悔しかったが、あんな大勢の人の前でプレーできて楽しかった」と思いを胸に刻んでいる。

 その後はプロ入りを見据え、木製バットを使ってひたすらにトレーニングを続けていた。積み上げてきた“ノーサイン野球”は「相手の隙を突けるようになった。プロでも生かせると思う」と自信と武器に変わっていた。

 「最初は15人でスタートした。1年生から寝食を共にし、ときには苦しいときもあった。乗り越えてきたみんなにも感謝したい」と仲間と歩んだ軌跡を振り返り、次のステージへと進む。

 (名波一樹)


故障せず頑張って

 エナジック・神谷嘉宗監督の話 心配しながら見守っていたが、選ばれて本当に良かった。今まで見てきた選手の中でも肩が強くて、元々持って生まれた力がある。教えてできるものではない。将来性があるので、故障せず今後も頑張ってほしい。


<プロフィル>

 たつやま・はるき 捕手、右投げ右打ち。2006年、5月13日生まれ。175センチ、78キロ。読谷小―読谷中―エナジック高。