古里見守り続けた樹齢120年の名木を伐採へ 病で倒壊の恐れ 名護市大浦区民「寂しい」


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 【名護】名護市大浦区(宮里辰之区長)は公民館前の市指定文化財「大浦アサギ庭のガジマル」を来年1月中にも伐採する。樹齢は120年以上になるというが、ここ数年「ミナミネグサレ病」にかかり、倒壊の危険性を踏まえて伐採を決めた。区のシンボルとして100年以上大浦の人々を見守ってきたガジュマルに感謝しようと、1月4日午前10時から供養祭を大浦アサギ庭(公民館前広場)で開く。

ガジュマルを前にする宮里辰之大浦区長(左端)=17日、名護市大浦

 ガジュマルはアサギ庭で執り行われるエイサーや村踊りなどの区民らの営みを見詰めてきた。区民の比嘉邦三さん(89)は幼少期にガジュマルにぶら下がっていたブランコでよく遊んだと言い、「ここで遊んできたのでやはり寂しい」と話す。

 市の指定文化財(天然記念物)に2006年に指定された。樹高は16メートルあったが、近年は「ミナミネグサレ病」の影響が出ていた。昨年の台風では枝が枯れ落ちるなど危険な状態となったため、区は文化財を担当する市教育委員会と協議して伐採を決めた。

 宮里区長(40)も木の上に秘密基地を作って遊んだ思い出を語り「若い人も『ゴジラガジュマル』と呼んで親しんできた」と説明する。

 4日の供養祭では焼香などを行う。宮里区長は「区出身者だけでなく、ガジュマルにゆかりがある人にも参加してほしい」と呼び掛けている。ガジュマルの絵や写真なども展示する予定だ。問い合わせは区公民館(電話)0980(55)8606。