角と角がぶつかり合う音、荒い鼻息 迫力満点の最強牛決定戦にファン興奮 秋の全島闘牛


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
シーの4番で龍力王(右)とまちかんてぃー20の激しい戦いに熱視線を送る観客ら=15日午後、うるま市石川多目的ドーム(又吉康秀撮影)

 【うるま】角と角がぶつかり合うと、乾いた音が会場に響き渡った。興奮する牛の鼻息は荒く、額は赤い血に染まり、試合の激しさを物語った。15日、うるま市の石川多目的ドームで開催された第113回秋の全島闘牛大会2日目(最終日)。前売り券は完売し、会場には多くの闘牛ファンが詰め掛けた。

 久しぶりの大会出場で、どの牛も序盤は相手の出方をうかがっていたが、勝負を決める瞬間は迫力満点だった。観客は大きな声援が出せない分、試合の様子をじっと見守った。勝負が決着しそうになると、会場からは「行けー」と声が漏れた。各試合後には両牛の健闘をたたえ、拍手や指笛が送られた。

 県内最強牛を決める沖縄全島一優勝旗争奪戦では、王冠(くらうん)と邁進龍(まいしんりゅう)が闘い、19分44秒の激闘の末、王冠が勝った。両牛は序盤から激しく角を突き合った。相手の攻撃をうまくかわしていた邁進龍は終盤、リングのコーナーに押し切られ、最終的には戦意を喪失し敗北した。王冠は初防衛を果たし、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

 観戦した田仲吟次さん(21)=うるま市=は「ようやく生で見ることができた。沖縄全島一の対戦は興奮した」と話した。