初の市鳥選「大扇たかお」が圧勝で当選 「空一面を埋め尽くす」力強い公約と目力に支持 宮古島市


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 【宮古島】宮古島市のシンボル・サシバのリーダーを選ぶ市“鳥”選挙が8日、開票された。約1カ月半にわたる熱戦の結果、「鷹柱(たかばしら)党」推薦の「大扇(おおおうぎ)たかお」が初代市鳥に当選した。鋭い目力と「もう一度、空一面を埋めつくす」との力強い公約が支持者の心をつかんだとみられる。

目力と迫力が魅力の初代市鳥「大扇たかお」と推薦した学芸員の寺崎香織さん=9日午後、宮古島市平良の宮古島市総合博物館

 市鳥選挙は、宮古島市総合博物館の企画展「あなたの知らないサシバの世界」に合わせて開催された。「生態や宮古の人々との関わり、保護活動を知ってほしい」との思いで同館学芸員の與那覇史香さんが企画した。職員6人が博物館所蔵のサシバの剥製(はくせい)から推しの1羽を選び、それぞれ選挙ポスターに仕上げた。8月19日から開催された。

 直接投票やメールなど市内外から283票(有効投票数281)が投じられた。大扇たかおは82票を獲得しての圧勝だった。今後、サシバの保全、啓発活動のけん引役を担う。

 2位は55票で「自由鳥骨党」の骨野(ほねの)さしば、3位は「伊良部島維新の会」の森林ゆたか48票、「フレン党公認」のなかよし鷹人(たかひと)42票、「飛びた党」鷹森守(たかもりまもる)34票、「オール竜弓(りゅうきゅう)」渡利みや子20票と続いた。

 大扇たかおには「この鳥なら任せられる」や「勇ましさを感じた」などとの声があった。推薦した学芸員の寺崎香織さんは「光栄です。(たかおが)イケメンだからかな」と喜んだ。公約には「島のさまざまな場所でサシバがたくさん飛ぶ姿を見たい」との寺崎さんの願いが込められている。

 サシバは毎年10月に越冬の中継地として宮古諸島に飛来する。島民に愛されてきた島のシンボルだが、近年は自然環境の変化などから飛来数が激減している。与那覇さんは「選挙も一つのきっかけ。サシバに興味を持って、これまで空を見上げていなかった人がふと空を見て探すようになればうれしい。保護活動にもつながっていけば」と願った。
 (佐野真慈)