まち猫守る ゆんたく場「アトリエ・はーべーるー」 毎週譲渡会、避妊去勢も


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保護猫譲渡会活動を行う鈴木雅子代表(左から2人目)と支援者=11日、名護市の市営市場隣アトリエ・はーべーるー前広場

 【名護】名護市営市場に隣接する、市民のゆんたく場「アトリエ・はーべーるー」(鈴木雅子代表)は毎週土曜、保護猫譲渡会(第2、第4は古本市、ミニマルシェも)を行っている。

 どこか懐古的な雰囲気を感じさせる一角にあるはーべーるーは、元々は自由な発表の場としてオープンしていたギャラリー「スケッチ」だった。故宮城一夫さん(画家)の意志を継いで、「アートと健康のまちづくり」の一環として、地域に根差した情報発信の場として5年前に市民有志で設立した。

 市民の求める学習会やライブなど活発な活動を始めた直後、コロナ禍に見舞われて閉所も考えたが、宮城さんから託されたまちづくりの意志を守ることや、市場に住み着いていた猫たちのケアを含めて継続することになった。2年前から個人による保護猫ケア活動のネットワークとして「にゃごねっと」を立ち上げ、行政への陳情や提言を開始した。

 にゃごねっとでは譲渡会(里親活動)の他にもTNR(捕獲・避妊去勢・リリース)、動物飼育の知識とマナーの啓発活動も行う。「外猫問題」は、どこにも相談できない「隠れた社会問題」として、市内外から相談者が殺到、県外からの観光客の反応も多い。猫を保護する経費は全て、鈴木さんや支援者の私財で賄われており、現状以上の受け入れは困難だが、はーべーるーなら「シェルター」として、何とか保護してくれると、捨て猫を預けに来る人も後を絶たないという。保護猫には名前がつけられ、家族同様に大切に育てられている。

 「10年以上も市場で暮らしているボス猫の「ほうちゃん」が3日間、行方不明になっていたけれど、無事に帰って来て良かった」と鈴木さんは、わが子を慈しむように安堵の表情でほほ笑む。

 犬猫の遺棄は動物愛護法で罪になり100万円以下の罰金も課される。問い合わせは鈴木さん、電話090(8032)2564。
 (池辺賢児通信員)