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塩屋、古宇利で同日海神祭 男女の神を引き合わす 古宇利 御願バーリー4年ぶり


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屋古アサギで祈願する神女ら=2日午後、大宜味村屋古(喜瀬守昭撮影)

 【大宜味・今帰仁】国の重要無形民俗文化財に指定されている大宜味村塩屋湾のウンガミ(海神祭)が2日、塩屋湾周辺の集落で開かれた。台風の影響で規模を縮小し、カミンチュ(神人)の女性らによる祭事のみ行われた。一方、男女の神で塩屋とつながりのある今帰仁村古宇利でも同日、ウンジャミ(海神祭)が執り行われた。古宇利では無病息災や五穀豊穣、豊漁祈願のほか、4年ぶりに御願バーリーも開催された。

 古宇利で約70年カミンチュ(神人)を務める玉城之典(ゆきのり)さん(83)によると、塩屋と古宇利に引き離された男女の神を引き合わせるため、古宇利のウンジャミは塩屋のウンガミ(海神祭)と同じ旧盆明けの亥の日に行われる。午前中は古来の餅落としに見立てた神事や、船をこぐしぐさで住民らが豊年の祈りをささげた。

 御願バーリーには、古宇利区の東班、中班、西班の3班が参加し、東班が1着でゴールした。古宇利区子ども会の子どもらもエイサーを披露し、会場を盛り上げた。

 玉城章古宇利区長は「台風に翻弄(ほんろう)されたが、無事に開催できてよかった。今年一年の区民の健康と豊漁を願いたい」と話した。御願バーリーに参加した中班の小波津俊さん(59)は「久しぶりにハーリーができて楽しかった。来年は1番を目指して頑張りたい」と意気込んだ。

 大宜味村塩屋湾と今帰仁村古宇利の二つのウンガミを写真で紹介する。
 (喜瀬守昭、武井悠、金城大樹)

懸命に船をこぐ御願ハーリーの参加者=2日、今帰仁村の古宇利漁港
集落内の神アサギ前でコの字に7回回り、陸と海の神に祈る地域の女性ら=2日、今帰仁村古宇利
祈願する神人たち=2日午後、大宜味村塩屋のシナバ(喜瀬守昭撮影)
島の発祥とされる家(フンシヤー)で手を合わせる住民ら=2日、今帰仁村古宇利