兄弟でランドセルのリレー 伊江村 長男→次男 次男→三男 「大切に使う」


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
長男のランドセルを譲り受けた次男の閏君(右)と次男のランドセルを譲り受けた三男の友君=伊江村東江前

 【伊江】4月に沖縄県伊江村の村立伊江小学校に入学した屋嘉比友(やかび・ゆう)君(小1)は、同じ小学校に通う3年生の兄閏(じゅん)君のランドセルを背負い校門をくぐった。閏君は、3月に同校を卒業した長男の翔(しょう)さん(現中1)から譲り受けたランドセルを背に登校している。7年目を迎えた長男のランドセルを次男へ、3年目を迎えた次男のランドセルを三男へリレーし、兄弟仲良く学校へ通っている。

 屋嘉比家は祖父母・父母・3男1女、2世帯3世代8人が同居するにぎやかな家族だ。
 ある日。母りささんが友君に新聞記事を見せた。「物を大事にするってすごいね。お兄ちゃんのランドセルを使って小学校を卒業したんだって。友もお兄ちゃんのランドセルを使う?」と何げない会話を交わした。友君は「(ランドセルがあるのに)お金が無駄だからお兄ちゃんのランドセルを使うよ」と即答した。
 末っ子の友君は当初、長男の翔さんのランドセルを使うことを決めていたという。
 入学式前夜、家族の会話が飛び交う中で次男の閏君が「お兄ちゃんのランドセルより、僕のランドセルの方が軽いから交換しよう」と弟にランドセルを差し出した。友君は閏君のランドセルを背に入学式を迎え、小学校生活をスタートさせた。
 三男の友君は「乱暴にしないで大切に使いたい」、次男の閏君は「みんなは6年間だけれど卒業する時に僕のランドセルは10年間。大切に使い続けたい」と2人はほほ笑む。
 りささんは「私自身、小学校の時に6年間同じ筆箱を使い続けたことを思い出した。お下がりでいいと言ってくれた子どもたちをうれしく思う。おじい、おばあも物を大事にすることを喜んでいる」と話した。(中川廣江通信員)