那覇大綱挽 観光客、沖縄県民が一体感 「声かれるほど頑張った」 


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 第48回那覇大綱挽(主催・那覇大綱挽保存会)が7日、沖縄県那覇市の国道58号久茂地交差点であった。県民や観光客など約27万人が詰め掛け、会場は興奮に沸き返った。午後4時30分ごろ、東西に分かれた約1万5千人による大綱の引き合いが始まった。引き手らは「ハーイヤ」の掛け声の下、約12分間の熱戦を繰り広げ、5メートル動かした東に軍配が上がった。通算成績は東の16勝14敗15引き分けとなった。

 全長200メートル、重さ40トンの大綱を手に熱い戦いを繰り広げた那覇大綱挽。7日、会場となった国道58号久茂地交差点周辺は、引き手、観客ら約27万人(主催者発表)の熱気に包まれた。勝負は昨年に続き東が勝利。開始当初から優位に立ち、西も一時は踏みとどまったものの、12分で決着をつけた。終了後は会場が一体となったカチャーシーで大盛況となり、親子連れや国内外から訪れた観光客らの笑顔が広がった。

掛け声と共に大綱を引き合い、白熱勝負を繰り広げた「那覇大綱挽」 =7日夕、那覇市久茂地の国道58号(滝畠豊美撮影)

 千葉県から家族3人で参加した荒井幸司さん(63)は、西側で綱を引っ張った。「声がかれるくらい頑張った。一体感があって良かった」と満足そう。友人と一緒に見に来た棚原未沙貴さん(22)=浦添市=は「今まで一度も来たことはなかったけど、今回参加できて楽しかった」と話した。「人が多すぎて綱は引けなかった」としながらも、大綱挽を満喫した様子だった。

 綱挽に先立ち、空手家による演武やくす玉開きなどもあった。国際通りでは旗頭行列があった。

 大綱挽は琉球王国時代の1450年ごろに始まったとされる。1935年に一度途絶えたものの、71年に復活した。95年には「世界一大きなわら綱」としてギネスブックに認定された。