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大度室内楽団(岩田友希江代表)の第7回定期演奏会(指揮、音楽監督・田代詞生)が6月22日、南城市文化センター・シュガーホールであった。“アメリカ”をテーマに、県内で演奏機会が少ない曲目を中心に取り上げ、訪れた聴衆は室内楽の奥深さを堪能した。
演奏会は全4楽章で構成される吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ・組曲第1番」で幕を開けた。疾走感あふれる第1楽章から始まり、第2、第3楽章では一転してゆったりとしたスピードに。再び第4楽章でテンポが速くなる弦楽の音色は優雅さを感じさせた。
続くコープランド「静かな都会」は浦添竜(トランペット)と有銘優(オーボエ)の独奏が交互に登場。トランペットとオーボエの掛け合いが哀愁を漂わせる。都会の夜の静けさと孤独感を連想させる音色が、アメリカのスラム街を思い起こさせる。
ドビュッシー「子供の領分」木管六重奏版はゆったりとした始まりから、草原を駆け抜ける風景を連想させる。ファゴットやホルンのゆったりとした重低音が加わっていく。次々と踊り、弾むようなクラリネットの音色が軽快なテンポを刻んでいく。終盤に差し掛かると、低音から高音まで全ての音が積み重なった。
締めくくりとなったガーシュイン「パリのアメリカ人」では、トランペットから、バイオリン、パーカッションまで軽快なリズムで刻む。フィナーレに向かうにつれ、雄大で希望に向かう爽快なメロディーが会場を包んだ。