100年の苦労に思い ブラジルで入植記念碑を除幕


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<除幕式>記念碑のそばにたたずむカンポグランデ県人会の志良堂ニウトンきよし会長=13日(日本時間14日)、カンポグランデ市

 【ブラジル=梅田正覚】ブラジル南西部の南マットグロッソ州の州都カンポグランデ市で13日(日本時間14日)、県系人入植100周年を記念して建立された記念碑の除幕式が開催された。

碑は幅約1メートル80センチ、高さ約2メートル50センチ。100年前に県系人が入植するきっかけとなった鉄道敷設工事があった地の近くの公園に建てられた。高良倉吉副知事ら沖縄から駆け付けた約60人の訪問団や近隣国の県人会関係者らが参加し、盛大に催された。14日(同15日)には入植100周年を記念した式典が開かれる。
 1908年、移民船「笠戸丸」でブラジルに到着した県出身者はサンパウロからカンポグランデまでの鉄道敷設工事に携わった。この工事がきっかけで、14年ごろからカンポグランデ市に定住が始まった。
 除幕式であいさつした高良副知事は「100年間の苦労があって、いま県系人はブラジル社会に受け入れられている。先人に感謝したい」と述べた。カンポグランデ県人会の志良堂ニウトンきよし会長(58)は「日本との交流がなければ、われわれは次の100年後には全てブラジル人になってしまう。今後も日本と関わり続けたい」と強調した。